現在開催中の「にいがたの中世」展では、古い資料が多いため、資料を前期、後期に分けて展示しています(資料リストは企画展ホームページで公開しています)。
後期展示の主な資料をご紹介します。
・直江兼続書状(八木朋直旧蔵、個人蔵)・・・大河ドラマの主役にもなった武将の文書。
・上杉十八将図(新潟県立歴史博物館蔵)・・・江戸時代に作成された、上杉家の主要な家臣を描いた浮世絵。軍記に登場する伝説的な人物もみられます。
・新発田藩家臣山庄家文書(北方文化博物館蔵)・・・山庄家は能登出身で、丹羽長秀や上杉景勝に仕えたのち、新発田藩溝口家の家臣になったという興味深い経歴を持っています。
・伝上杉景勝寄進香箱、居箱(善照寺蔵)・・・真言宗の伝法灌頂の儀式で使われた刈羽村善照寺の寺宝。
「にいがたの中世」展では、このほか坂額御前の顔出しパネルや、越後武将選挙(人気投票)、子ども向けのワークシートの配布などご家族で楽しめる催しも行っていますので、ぜひご覧ください。会期は29日(日)までです!
もうすぐ5月の節句ということでこいのぼりをつくりました。毎年この時期に開催しているプログラムで、割りばしやビニール、ストローなどといった身近にある素材でミニこいのぼりをつくります。参加されたお子さんはハートや星などのかたちに切った色用紙でうろこをつくるなど個性あふれるこいのぼりをつくっていました。また、こいのぼりには欠かせない矢車もつくりました。風を受けるとくるくる回り、またこいのぼりも泳ぎます。お子さんたちは完成したこいのぼりを持って楽しそうに走り回っていました。
今年度、最初の博物館講座である「近世新潟町と火災―安政三年大火を中心に―」を開催しました。講座では信濃川河口にあった「みなとまち」新潟町の長岡藩領時代、幕府領時代の消防に関する法令や、実際に発生した火災の概要を紹介した後、安政3年に発生した連続大火を中心に被災者救済のあり方をお話しました。コロナ禍のため60人の人数制限を設けて開催しました。ご来場されたみなさまありがとうございました。
今年度最初のこども歴史クラブでは、むかしのあそびにチャレンジしました。今回は、ベーゴマ、めんこ、ビー玉、お手玉の4種目での課題をクリアしていくクエスト方式であそびました。参加者全員、はじめて挑戦するあそびということで、特にベーゴマは苦戦しているお子さんが多く見受けられました。それでも最後まであきらめず挑戦し、回すことができたお子さんもいました。
めんこは新潟では「パッチ」とも呼びます。今回はあそぶだけではなく、自分でめんこをつくることにも挑戦しました。お花の絵を描いたり、きれいに色を塗ったりと個性的なめんこが完成していました。そのほか、ビー玉やおはじきでも楽しくあそび、すべての課題をクリアできたお子さんもたくさんいました。
来月は白山公園周辺を探索します。
「にいがたの中世」展が開幕しました。新潟市域所在の考古資料や古文書を中心に展示します。
古い資料が多いため、資料を前期、後期に分けて展示しています(資料リストは企画展ホームページで公開しています)。前期注目は刈羽村の善照寺所蔵史料です。女池の新潟県立文書館
に善照寺が資料を預けている関係で資料をお借りしましたが、長尾為景(上杉謙信の父)の制札や越後の武将たちが寄進したとされる寺宝などが展示されますので是非ご覧ください!
川が運び、波が押し戻して堆積した砂の土地、新潟市。それでいて意外と身近に感じることない砂を使って、 カンタンに絵を作る体験を行いました。絵の具を混ぜた砂をのり付きパネルにかけていくだけで、ペンやクレヨンなどとは異なる風合いの絵ができあがります。 絵はこちらで用意したものから選んでもらいましたが、色は自由。満開の桜のような春の色彩や、 紫が映えるハロウィン風、細かく色を使い分けたカラフルなものなど、それぞれの個性が光っていました。
企画展「にいがた幕末の絵師」の関連事業として、特別講演会を実施しました。講師は、萬美術屋として活動され北斎館館長も務めていらっしゃる安村敏信先生です。
リアルすぎるほどの生人形、西洋画法など工夫が凝らされた妖怪絵、凄惨な場面を描いた血みどろ絵、鮮烈な構図・色彩を用いた鈴木其一の画など、幕末期に見られる独特の美術を次々とご紹介いただきました。
幅広い学識をもとにしながらも親しみやすい安村先生の解説を直接お聞きしながら、シアターの大画面で作品を堪能し非常に贅沢な時間を過ごしました。
企画展「にいがた幕末の絵師」が開幕しました。「新潟入船之図」を描いた行田魁庵(なめたかいあん)、新潟白山神社の「大船絵馬」を描いた井上文昌(いのうえぶんしょう)の二人を中心に、幕末期の新潟で活躍した絵師たちをご紹介しています。
会期中、祝日は運だめし!ということで開幕初日の今日はガラポン抽選会も行いました。ガラガラとハンドルを回すワクワク感!何が当たるかはお楽しみ。館内にはガラポンと鐘の音がにぎやかに響いていました。
今年度、みなと新潟実行委員会が実施してきた「古町学ことはじめ」各事業の成果報告を市民プラザで開催しました。
第一部はインタビュー調査、信濃川から歴史再発見ワークショップ、古町こども研究所、復活!古町芸妓の練り歩き、の4つの事業の
活動報告を行いました。特に古町こども研究所の調査報告は、小学生研究員のうち有志の4名が壇上に上がり、調査結果と分析・考察を
発表しました。
第二部では、まちづくり団体”まちLab.”の副代表で学生時代から町並みについて研究されてきた渡邉篤史氏に「古町地区の町屋と町並み」
と題して、新潟県下の町並みや家屋を調査した成果をもとに、古町地区の町屋の特徴や、町並みの中で残されている古い建物の割合などを
報告していただきました。当たり前に思っていた町並みも、他の地域と比較することで見えてくる特徴があり、その背景もその地域ならではの
理由があることをお話いただきました。
今年度、みなと新潟実行委員会が実施してきた「古町学ことはじめ」各事業の成果報告パネル展を今日から16日までネクスト21の市民プラザミニギャラリーで開催しています。1月19日(水)からは、会場を旧新潟税関庁舎(みなとぴあ内)に移して、2月20日(日)まで 開催します。今年度の成果をわかりやすくまとめていますので、ぜひ会場に足をお運びください。
実りの季節は、植物にとって次世代へのバトンタッチのタイミングでもあります。このプログラムでは、植物の生存戦略をさまざまなタネの運ばれ方に注目して、模型を作り、実際にタネの動きを見ることで、その不思議なメカニズムに迫りました。
初めに、さまざまなタネの形を知るために、タネの神経衰弱をしました。付き添いの大人も盛り上がり、こどもに負けじと本気を出していました。オナモミのくっつき方の秘密や、綿毛で飛んでいくもの、松やニワウルシなど、羽根で風を受け、より遠くへ飛んでいこうとするものなど、さまざまな工夫がそれぞれのタネになされていることがわかりました。植物の戦略に感心しきりの参加者たちでした。
天候が危ぶまれる中、親子でみなとぴあ自然体験を開催しました。たいけんのひろばの中で、秋の木の実や落ち葉を使った活動を行った後、小さな凧をそれぞれが作って、風を感じました。凧を持って芝生広場に出ると、風も少し弱まり、絶好の凧あげタイムとなりました。スタッフがサンプルに持ってきた大きな凧をうらやましく感じた子が多かったようで、大きな凧をあげるために順番に並んで、自分の番が来るのを待ち遠しそうにしていました。自分の番が回ってくると、パパママと一緒に、凧のコントロールをして楽しそうな姿が印象的でした。
くらし展関連イベントとして、「年中行事カレンダーをつくってみよう」を開催しました。このイベントは、年中行事の日取りや行なわれる意味を知ってもらいたいという思いで行いました。展示をみながら来年のカレンダーに行事のイラストが描かれたシールを貼っていき、その後色を塗ったり、絵を描いたりしてオリジナルなカレンダーを完成させました。中には、「十五夜の日はお供え物を盗んでいい日であった」という説明を聞いて、それを絵に描いてくれたお子さんも。参加してくれた方々は、楽しみながら年中行事について学んでくれていたようでした。来年はカレンダーにある年中行事の日取りを意識して過ごしてもらえるとうれしいです。
そして本日でくらし展は閉幕です。多くの方にご来場いただき、ありがとうございました。
11月3日は文化の日!この日は毎年常設展示室やシアターを無料でみることができる特別な日です。博物館の中だけではなく、敷地についても楽しみながら学んでもらいたいということでたてものスタンプラリーと塔屋見学会を開催しました。
たてものスタンプラリーは本館、旧新潟税関庁舎、第四銀行住吉町支店の3か所にあるスタンプを集める企画です。スタンプを押していただいた方にはボランティアが各たてものをガイドさせていただきました。なかには、「祖母が第四銀行住吉町支店に勤めていた」という方もおり、貴重な話をお聞きすることもできました。
塔屋見学会では、旧新潟税関庁舎の塔屋にのぼってもらい秋の敷地を一望してもらいました。急な階段に苦戦するお子さんもいましたが、多くの方が楽しみながらのぼっていました。
今後も定期的に開催していきたいと思っていますので、是非遊びに来ていただければと思います。
「古町学ことはじめ」事業の一環で、「復活!古町芸妓の練り歩き」を開催しました。お天気にも恵まれ予想以上の人出がありました。新潟年中行事絵巻や越后新潟湊十六景に描かれた世界を再現した時代絵巻に感動です。古町芸妓さん、そして一般参加のみなさんがきれいに着飾りそろって歩む姿は非常に華やかで、とても見応えがありました。
10月の博物館講座は昭和初期のご当地ソング「新民謡」について、新潟を題材にしたものをいくつか取り上げ、その製作過程と新潟でのお披露目の様子などを新聞記事などを中心に紹介しました。
講座終了後、エントランスホールにて、こはく会の皆さんをお迎えし、新民謡ミニライブを開催しました。講座で取り上げた、「新潟小唄」のほか、「四季の新津」とサッテモ節としてもよく知られる「十日町小唄」の唄と踊りを披露していただきました。また、最新の新民謡として、1997年度の新作民謡に入選した「新潟笹だんご節」の唄をご紹介いただきました。ライブでは、手拍子が自然と沸き起こり、エントランスホールが熱気に包まれました。
10月31日に開催する「復活!古町芸妓の練り歩き 江戸時代の古町の賑わい再現」にて現役の古町芸妓とともに古町を練り歩く、一般参加者の勉強会を開催しました。2回目のこの日は、現役の古町芸妓、紅子さんをお迎えして、古町芸妓の歴史や現状、芸妓の立ち居振る舞いや芸妓という職業に関する様々なお話を伺いました。芸妓さんのお座敷での心がけやお客様に楽しんでいただくために芸妓さんたちが毎日続けている努力や心遣いなど、お話の端々から推察することができ、華やかな姿とともに、おもてなしのプロフェッショナルとしての矜持をうかがい知ることができました。
秋、みなとぴあの敷地のマテバシイは多くの実をつけました。この日のこども歴史クラブの活動は石器を使って、どんぐりを食べられるように加工する体験を行いました。
まずは、敷地に出て、マテバシイを採集しました。たくさんのどんぐりに目の色を変えて採集し続けるこどもたち。制限時間を5分にしましたが、あともう少しの声があちこちから響きます。ほかにもスダジイの木などを紹介し、どんぐりをたくさん持って、たいけんのひろばに戻りまs。
たいけんのひろばでは、石皿と磨石を使って、マテバシイの殻を割り、中の実を取り出して、すりつぶして粉状にします。どんぐりに石をあてる力加減が難しく、強いとどんぐりが飛んでいき、弱いと殻が割れない、という状況でしたが、トライアンドエラーを繰り返し、参加者たちも
縄文人のように石器を使いこなすことができるようになりました。
2020年度みなとぴあ歴史発見プロジェクト企画展「生誕320年記念特別展 五十嵐浚明」の図録が、國華社・朝日新聞社主催の第33回(2021年度)國華展覧会図録賞を受賞いたしました。
國華賞は、日本・東洋の美術における優れた研究に贈られるものです。展覧会にご協力いただいたみなさま、またご観覧いただいたみなさまに心より感謝申し上げます。
このプログラムは、今年2回目の開催となります。今回は、主に秋の草花であそびました。
まず、最初にみつけたのは「葛(クズ)」という葛粉の原料になる植物で、長いツルと大きな葉っぱが特徴です。その葉を手の中に入れて叩く「クズ鉄砲」というあそびをしました。成功すると鉄砲のような音がでますが、意外と難しく、子どもたちは叩く強さを調整しながら何度も挑戦していました。
次に挑戦したのは「イタドリ」という植物でつくった笛です。茎に息を吹き込むと笛のような音がでます。茎の長さや太さによって様々な音がでるので、自然とハモることもありました。
一般的に「ねこじゃらし」とも呼ばれている「エノコログサ」でもあそびました。穂の部分を丸めて提灯のようなかたちをつくってみたり、筒の中に穂先をいれてどちらから出てくるかを親子で当てっこしたりしました。
次にみつけた「ツユクサ」は、小さな青い花が咲くことで有名ですが、この花を潰すときれいな青色のつゆがでてきます。このつゆをつかって色あそびをしました。また、葉を水に浮かべるあそびもしました。小さい舟のようで、子どもたちは競うように多くの葉を浮かべていました。
最後に鮮やかな実を発見!「ノブドウ」という食べてもおいしくないブドウです。実を半分に割ってみると、種とともに虫の卵がでてくることも。見た目と中身が合致していないおもしろい植物でした。
身近な植物について楽しみながら勉強できるこのプログラム。来年もできたら良いなと思っています。
稲作が盛んな新潟では、むかしから稲の成長を祈ったり祝ったりする年中行事が行なわれてきました。また、農作業のほとんどが手作業だった時期は休み日という意味でも行事日は重要でした。むかしの稲作の苦労を味わってもらいたい!という思いで実施したのが今回のプログラムです。
最初に企画展をみてむかしの稲作の過程を勉強し、その後扱き箸や千歯扱きなどをつかって脱穀しました。扱き箸では数本の稲のモミを地道に落としていきました。力加減が難しく、苦戦しているお子さんも。労力と時間がかかる作業であり、むかしの苦労を感じることができました。その後、千歯扱きで脱穀しました。扱き箸で扱く量より多くの量を脱穀することができ、コツを掴むと簡単にモミを落とすことができます。「ストレス発散になる!」という声も。楽しみながら脱穀することができました。
最後に、唐箕をつかって脱穀したモミとゴミを分別してプログラムは終了しました。「これからは今まで以上に感謝の気持ちを込めてお米を食べようと思います」という声が聞かれたように、生産者さんへの感謝の気持ちも改めて感じることができました。
9月講座では館蔵の「沼垂町役所文書」を中心に、近世の沼垂町の町の移転や、町の構成、町支配のあり方、町人たちのくらしぶりなどを中心に解説しました。 特に、現在地に移転する以前の沼垂町について、寛文期の町割絵図を中心に住民の肩書などを細かくみていきました。 本年11月27日から、同名の収蔵品展「近世沼垂町」を開催する予定です。こちらも是非ご来館ください。
今回は、明治時代に撮影された写真を手掛かりに、その撮影場所を探し、現在の景色と比較してみるというプログラムでした。最初に湊稲荷神社へ行きプログラムの安全を祈願した後、みなとぴあのまわりを探検しました。早川堀という堀があったこと、青柳橋という橋があったことなど、明治時代と比べると景観が大きく変わっていることがわかりました。
最後に、旧新潟税関庁舎の塔屋にのぼり、敷地を一望しました。急な階段を目の前に怖がる子もいましたが、無事参加部員全員のぼることができました。「むかし信濃川の幅が大きかったことが上からみるとよくわかる!」という声があったように、上からみることでかつての風景が想像しやすくなることも。このプログラムを通して少しでも明治時代にタイムスリップしたような気持ちになってもらえたらうれしいです。
夏休みに実施するはずだったこのプログラム、新型コロナの感染状況が悪化したので、1か月延期して実施しました。
この日体験したのは、藍、紅花、クチナシの染め、とあらかじめカリヤスで染めておいた布を藍で染めて、ねらい通りの色に
なるかどうか、を体験しました。
輪ゴムで絞ったり、割りばしで挟んで締めたりして、模様をつけました。
乾燥させておいた藍の葉を煮て、青い色を作ったり、紅花を水の中でよくもんで、黄色を洗い流して赤色を取り出したり、と
化学実験の様相でしたが、色が現れてくる様子に参加者も興味津々でした。
本日、予定より6日遅れて「新潟のくらしと年中行事」開幕しました!今回のくらし展のテーマは年中行事です。正月や盆など現在でも様々な行事が行なわれていますが、地域や家、宗派、時期などにより違いがあります。展示では、新潟市内の事例をできるだけ多く取りあげました。また、市内では稲作に関わる行事も多数行なわれており、そういった行事もむかしの稲作の過程とともに紹介しています。こいのぼりやマユダマが飾られていたり、おいしそうな食品サンプルがあったりと、ビジュアル的にも楽しめる展示となっています。年中行事の思い出を共有できる「ぼくわたしの地域の年中行事」というコーナーもありますので、多くの方に書いていただけたらうれしいです。
今夏の展覧会「川・街・港 変わりゆく風景」展が本日閉幕しました。本展の写真を撮影したアマチュアカメラマン桜井進一氏も
事あるごとに会場を訪れ、ワンポイント解説などを通して、観覧者の皆さんと当時の状況を共有してくださいました。
昭和30〜40年代の街の様子、港の様子をメインに紹介しましたが、同時期を知る年齢の方々だけでなく、その頃を知らない20代、30代の
若い世代の方々にも自分たちの記憶にある街と、写真に残された街の様子をすり合わせ、その場所の思い出を語り合っている様子も見受けられました。来場してくださったみなさま、どうもありがとうございました。
8月の博物館講座は大正時代の画家・増原宗一についてお話ししました。生まれは山口県於福町。於福尋常高等小学校卒業後に上京し、築地で働きながら独学で勉強しますが、展覧会に出品した作品が認められ、鏑木清方に入門します。意欲的に先進的な活動にも参加し、個展も開きますが、一部を除きなかなか認められませんでした。主に清方門下の郷土会展を発表の場として、それでも独自の不思議な魅力の作品を描き続けました。
どういう経緯かは不明ですが、晩年は新潟の古町界隈で制作活動を行いましたが、柏崎で33歳(満32歳)という若さで亡くなりました。なぜ新潟へ来たのか、なぜ柏崎で亡くなったのか、さまざまなうわさ話もある中、検証し、推測をしました。残された資料から、増原宗一という画家についてイメージを持ち、また、新潟で発見された作品などから今後の研究の糸口も探りました。
参加いただいた31名の方からは、知らない画家であったけれども、興味を持つことができたなどの意見もいただきました。今回は時間がなくて1点1点の作品についてじっくり検討することができませんでしたが、是非次回はそれぞれの作品の背景なども探っていきたいと思います。「そういち」「宗一」「咲二郎」の落款を見かけた方は、ご一報ください。
ベーゴマやメンコなどのむかしのあそびをたのしみながら研究する「むかしのあそび研究会」を行いました。今回は、新潟工業高校の生徒にも参加してもらいました。今回は、ベーゴマ・メンコ・ビー玉・おはじき・お手玉に挑戦しました。高校生たちははじめて体験するあそびに最初は戸惑っていたものの、コツを掴みプログラムが終わるころにはすべてのあそびができるようになっていました。「こんなにたのしいと思わなかった」という声も。むかしのあそびの魅力を知ってもらえたようでよかったです。
また、来館していたお子さんにもむかしのあそびを体験してもらいました。高校生たちに教えてもらいながら様々なあそびに挑戦し、ベーゴマは挑戦することわずか5分で回すことに成功しました。これには高校生たちもびっくりしていたようです。コツを掴めば案外簡単に回せるのかもしれません。
今後もあそび研究会は続けていきますので、気になった方は是非あそびにきてみてください。
今年度の『文化庁地域と協働した博物館創造活動支援事業』「古町学ことはじめ」の小学生向け事業、「古町こども研究所」の
ワークショップを開催しました。午前中に小学1・2年生対象のワークショップを、午後からは3〜6年生対象のワークショップを行いました。
”研究員”たちは、古町通りの商店街の今と昔を調べる調査に従事しました。
1・2年生は、古町通り5番町から7番町を歩きながら、商店街にはどんなお店があるのかを調べます。お店の外からショーウインドーを
覗き込んだり、看板の文字や写真を頼りに、何やさんなのかを調べます。表から見ただけではこどもたちには特定できない悩ましいお店も。
たばこも売ってるけど、看板は酒店と書いてある、こどもたちの中で意見が分かれます。そんな時には「ここは何やさんですか?」お店の人に聞いてみます。お店の方は「酒とタバコ屋、だね」と教えてくれて解決しました。他にも、世界各地の民芸品を扱っているお店や、
着物やさん、喫茶店に本屋さん、パン屋さん、宝飾店などいろんなお店がありました。商店街の中には学校もあって、びっくり。
3〜6年生は、昭和44(1969)年の住宅地図を頼りに、古町5番町から8番町までの間で、今も営業されているお店を探しました。
その後、グループに分かれて、7つの店舗にお店の歴史についてのインタビュー調査に伺いました。
それぞれのお店では、お店の名前の由来や、歴史、扱っている商品の変遷など、いろんなお話を聞かせてもらいました。
それぞれのお店で、驚きの話を聞かせてもらったり、お土産のパンフレットをもらったり。
普段何気なく通り過ぎる商店街のお店にあるそれぞれの歩みを知ることができ、とても有意義な機会でした。
ご協力くださった商店街のみなさま、大変ありがとうございました。今回の調査結果は、次回のワークショップでまとめます。いずれ、成果を発表したいと思います。
国土交通省新潟港湾・空港整備事務所の協力を得て、本イベントを実施しました。
まずは、企画展示室で50〜60年前の港の様子の写真を見ました。
その後、港湾業務艇「あさひ」に乗り込み、新潟西港巡検の始まりです。
みなとぴあの脇から出航し、信濃川左岸沿いに船は進みます。展示室で見た
写真の様子と今の様子を見比べながら、窓から見える様子を撮影します。
万代橋付近では、船を一時停止してもらい、デッキで写真撮影をしました。
川から見上げる萬代橋はいつもとは違う迫力があります。萬代橋のアーチの
間からは八千代橋がすっぽりとはまって見えました。
Uターンして、万代島沿いを進むとこの時期の風物詩でもある、
グラブ浚渫の様子が間近に見えます。作業船のクレーンが水中から引き揚げられる
迫力に船内から歓声があがります。
時間によっては佐渡汽船や新日本海フェリーの入港や、浚渫船白山の行き来などを
見ることができました。臨港埠頭付近まで進んで、Uターンしてみなとぴあまで
戻りました。
添乗してくださった新潟港湾・空港整備事務所の職員さんからは、
今のみなとの役割や、なぜ新潟みなとトンネルは橋ではなくトンネルをつくることに
なったのか、などを教えていただきました。
みなとの風景をたくさん撮影して、新しい発見もあった、楽しいみなとの
巡検となりました。
8月10日(火)からは、参加者の小学生が撮影した写真から、ひとり1枚選んでもらい、
「2021年のみなとを写そう こどもの写真展」をみなとぴあエントランスホールで
開催する予定です。ご来館の際は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
この日は、桜井進一さんを迎えて、桜井さんの68年に及ぶアマチュア カメラマン生活を通して、いろいろなお話を伺いました。 二眼レフから一眼レフへと変わるカメラの変遷や、フィルムの違い、また、 今回、展示で紹介していない写真の撮影秘話などを伺いました。
後半は会場を展示室に移し、作家の展示解説会を実施しました。被写体の話 だけではなく、どこから、どのように撮影したのか、など作家本人しか 知り得ない話を伺いながら、展示室を回りました。参加者のみなさんも 熱心に作品をご覧になりながら、桜井さんに質問されていました。
みなとぴあが事務局を務めるみなと新潟実行委員会主催の「古町学」がついにスタート!今回はその設立を記念して講演会を開催しました。「古町学」は古町通りなどを中心とした旧新潟町エリアを学びの場とし、市民のみなさまとともに「古町」の歴史・文化・魅力を掘り起こしていこうという事業で、さまざまな参加型プログラムを長期的に実施していく予定です。
講演会では、まず会長の伊東祐之より、そもそもなぜ「古町」なのか、他地域との関係性から「地域」を考える地域学の特性をお伝えした上で、歴史的に古町が旧新潟町エリアの中心地であったこと、商業的・政治的拠点が拡散した現代、古町地区の新たな価値・役割を見直し、創造していく必要性についてお話しました。そして後半は、まさに古町に住みながら古町花街について研究・発信している久保有朋さんより、花街や芸妓のほか町並みや建築、食事などさまざまなアプローチにおける古町の魅力について具体的にお話しいただきました。まちあるきや飲食店めぐり、これからすぐにでも古町へ行きたくなった方も多かったのではないでしょうか。
今回講演会に参加された方はもちろん、参加されなかった方も、これからはじまる「古町学」事業にさまざまな形でご参加いただき、それぞれにいま一度「古町」について考えていただきたいと思います。
博物館講座「溝口秀勝とその時代」を開催しました。
溝口秀勝は新発田藩の初代藩主で、慶長3年に越後の領主となり、現在の新潟市域も領地とするなど新潟市の歴史と関わり深い大名です。
今回の講座では、越後前史、関ヶ原合戦、越後での農政を中心にお話しました。秀勝は初め丹羽長秀の家臣で、30歳を過ぎてから若狭国高浜城、さらに加賀国大聖寺城の城代に抜擢され、天正13(1585)年に独立大名になります。高浜で世継ぎの秀信(宣勝)が生まれ、また大聖寺時代にかけて家臣団が形成され、越後時代も活躍することになります。
溝口秀勝は慶長3(1598)年に越後へ国替えになります。越後へ国替えになった当初は上杉景勝と友好的だった形跡があり、関ヶ原合戦の際の動向にも影響したのではないかと考えられます。国替えの二年後には関ヶ原合戦が起こり、新発田城築城を進めたり、上杉家と和戦両様のかけひきをしたりと秀勝は困難な時期を乗り切りました。
溝口秀勝は越後で新田開発を進めるため、堤防を築いたり、現在の秋葉区や南区域を中心に地域の有力者へ開墾を進めさせたりしました。東区域では加賀大聖寺の農民たちが、溝口家を慕って移住したという伝承も残っています。
溝口秀勝は世継ぎの秀信の育成や沢海藩につながる分家の創出などを計画的に進め、慶長15年に没しました。秀勝は全国的なあまり知名度は高いとは言えませんが、新潟市域をはじめ、新田開発など地域のために力を尽くした人物と言えます。今後さらに史料の発掘や紹介が進むことを期待したいです。
7月のみなとぴあこども歴史クラブを開催しました。
7月のみなとぴあこども歴史クラブは、「日本の文化に親しもう」でした。
まずは靴のぬぎ方から、家の中を向いてぬぐ?外を向いてぬぐ?そっちが正しいの?靴の揃え方は?・・・次は畳の上であるいてみよう、踏んではダメなところを避けながら、静かにあるくよ、うまく歩けたかな?
しびれにくい正座の仕方、着物の着方・たたんでみ方、ちゃぶ台クイズ・・・床の間を飾るのはなぜ?・・・旧第四銀行住吉町支店の和室で盛りだくさんのプログラムでしたが、小学校1〜6年生の全員で考え、体験した1時間半でした。
日本の文化にはいろいろきまりごとや名前があるのは、くらしを大切に、物を大切にしてきたからです。そうしたら、こどもの中から、「おもてなし」との声も上がりました。そう、他人(ひと)も大切にしていたのですね。参加したこどもたちは、さすが!きまり事を結構よく知っていて、たくさん用意したクイズは簡単だったようです。
最後にみんなで「床の間かざり」をやってみました。みんなの個性が発揮されて、掛軸が1本絞りきれず、最終決戦3本のうち時間切れで2本を床の間に下げ、似合う花入れと花を選んで、季節を考えた“しつらえ”を完成させました。普段簡素で寂しい床の間が、とっても素敵な床の間に変身していました。
今回の企画展は昭和30〜40年代の新潟の街の日常風景を数多く撮影してきたアマチュアカメラマン桜井進一氏の写真から、
新潟を象徴する風景でもある信濃川や港を中心に、変化する街の様子を紹介する写真展です。
30年代の万代橋周辺や港の様子、新潟地震の被害状況、新潟駅の移転、駅周辺と万代地区の変化など、現在の新潟の街の
土台となった昭和の新潟の変化を紹介しています。多くの方のご来館をお待ちしています。
博物館講座「新聞小説からみた明治新潟」を開催しました。
今回の講座は新聞小説から明治新潟の世相を読み解くというもので、前半に新聞や新聞小説の歴史について紹介し、後半は「絵入新潟新聞」に掲載されていた小説を紹介しつつ、明治新潟における人びとの暮らしぶりを紐解いていきました。小説を読んでみると、旧士族が秩禄処分により貧困になっている様子や新潟美人に溺れ生活が困窮する男性など様々な暮らしぶりがうかがえました。また、作品ごとにユニークな恋模様もみることができ、会場から笑い声が聞こえる場面も。さらに、「絵入新潟新聞」の小説のなかには新潟港築港に関する記述が多くあり、当時の新潟の人びとの関心が高かったことや築港を一致団結して進めていこうとしている意気込みを感じることができました。
講座終了後、「明治時代の新聞小説を読んでみたくなった」という声を多くの方からいただきました。今回は「絵入新潟新聞」の小説を紹介しましたが、これを機会にほかの新聞に掲載されている小説も是非読んでみて下さい。
雨にも降られず、参加11組、2〜6歳のこどもたちと保護者30名で開催されました。講師はネイチャーゲームの会の宮沢さんと、杉崎さん、解良さん、関谷さんの4人のみなさん。 まず最初に全員でグニャグニャ体操をして体をほぐし、こどもたちだけ真ん中に集まって絵本で予習をし、いよいよ3班に分かれて「ミクロ ハイク」に出発です!
樹木の茂みの中や、木の下、植え込みの根本などをよーく見ると、いたいた・・・・ 「見て―ありがいたよ」「これなに?」「あっちにてんとう虫がいるよ」「どこどこ・・ほんとだ!」元気なこどもたちの声が次々と虫や植物の発見を知らせてくれます。 赤ちゃんどんぐり、なめくじ、コガネムシ・・・・・
敷地内をひとめぐりして今度は、シャボン玉づくりに挑戦です。 団扇の骨、網などを使い、色々な大きさのシャボン玉を作ります。巨大シャボン玉は風向きを考えて風がくる方向にゆっくり輪を動かすと良いなどこつを教えてもらいながら、小さなこどもたちもとても上手にシャボン玉を作っていました。 最初はみんなと一緒に話を聞くことができなかったり、お母さんから離れられなかった子も最後にはみんな少したくましくなって、キラキラと目を輝かせていました。もっと身近な動植物をよく見て知りたいと思う楽しいプログラムでした。
この日はみなとぴあを飛び出して、西海岸公園で草花を使ったあそびを体験しました。初夏の公園は
草が生い茂り、格好のあそび場でした。
西海岸公園の遊歩道を探検しながら葉の汁に止血効果があるチドメグサを見つけたり、カタバミで10円玉をピカピカにする実験をしたりと、
暮らしに役立つ草花を探しました。
、
音を出す遊びでは、イタドリの茎の笛やアシの葉のキジ笛などいろんな音を出しました。
ニセアカシアを使った占いでは、なかなかラッキーがでないので、ラッキーが出るまで新しいニセアカシアの葉をもいでくる人が続出でした。
ムギクサの穂のマジックは、付き添いのおとうさんおかあさんに披露して拍手をもらいました。
他にもヤエムグラの的あてゲームやツバキの葉をつかった飾りづくり、オオバコすもうをしました。
参加したこどもたちは普段こういった遊びをすることがないので新鮮だったようです。季節によって草花も変わるので、
他の季節もいろんな遊びが出来そうです。機会があればまた実施したいと思います。
今回のたいけんプログラムは、気楽に掛軸を掛けてみてもらおうという企画でした。家の中に床の間も少なくなった現代、すでに掛けてある作品を観賞するばかりだろうと思います。しかし掛軸の特徴は、作品をくるくると巻いてしまっておけること。また、開きながら作品が徐々に見えてくるのも醍醐味の一つです。それを実際に感じていただきました。矢筈(やはず)という棒状の道具を使って掛緒を吊具に掛けたり、しまう時には紐を独特の方法で留めたりとなかなか不思議な作業、少しとまどいつつも楽しんでいただけたようです。
博物館へ来られた際に、ふらっと立寄って1、2幅自分で掛軸をかけてみてもらう。そんな機会にしたいので、近いうちにまた開催したいと思います。
こども歴史クラブ5月の回は、染め物を行いました。「三纈」と呼ばれる3つの技法のうち、絞り染めと板締め染めの2つを簡単に
体験しました。板締めでは割りばしを、絞り染めでは輪ゴムとナイロンテープを使って防染をして、染液に漬けました。
板締めでの染め物は板をあてる場所を変え、色も変えて2回染めました。
水洗いをして、防染している輪ゴムや割りばしを外すと、模様が現れ、歓声があがりました。
板締め染めで思っていたようなチェック柄が出来た人、防染の板を斜めにおいて工夫をした人、
絞り染めで思いがけずきれいな模様が出来た人、
それぞれに、お気に入りの布が完成したようです。帰り際には早速、出来上がった布の使い方を
家族と相談していました。
こどもの成長を願って端午の節句に飾るこいのぼり。身近な材料で風にたなびくミニこいのぼりと風車を作りました。
風車は、3枚の色紙の羽を重ねていくだけで簡単にできあがります。取り付ける時にストローを挟みこんで回りやすくするのがポイント。メインのこいのぼりは、ビニール袋に目とウロコを貼っていくのですが、青い雷のような目や、星と吹き流しをきれいに配列されたウロコなどなど、それぞれにおもしろい個性的なコイの姿が誕生していました。手に持ってくるりと回るだけでも、風車がまわりコイが風の中を泳ぎます。みなさん腕をぐるぐるまわしたり駆けまわったり、できあがった後もとてもたのしそうでした。
新潟は砂のマチ。ということで、新潟の砂をつかって砂絵をつくりました。絵の描かれたのりつきのプレートに色付きの砂をつけて絵をつくっていくもので、黒埼茶豆、寄居カブ、関屋カボチャをイメージしたキャラクターの砂絵をつくりました。絵は同じでも色によってまったく違う印象になるのがこのプログラムのおもしろいところ。使う色も男の子と女の子で異なり、またカボチャくんにみかんを持たせるといった下絵にはないものを描く子もおり、みていて興味深かったです。
こども歴史クラブ今年度最初のプログラム「みなとぴあをたんけんしよう」を行いました。常設展示室と敷地をたんけんする予定でしたが、雨天により常設展示室のみをたんけんしました。クイズにこたえながらたんけんし、みなとぴあに来たことがあるこどもたちが多かったからか、「簡単だった」といった声も聞えました。なかには、こちらが感心するような歴史マメ知識を教えてくれた子も…。この1年間でさらにみなとぴあのことや歴史について詳しくなってもらいたいと思います。
障子紙と竹ひごを使って凧を作り、実際に外で凧あげをしました。
最初に凧に貼る絵を自由に書いてもらい、それから凧作りに取り掛かりました。障子紙に竹ひごを取り付け、最後に紐をかけて完成です。細かな作業も多くなかなか手間取りましたが、完成して外で凧をあげ始めると一気に盛り上がりました。今日は天気も良く風もあって凧あげ日和!海風は乱れ気味で凧も素直にはあがってくれませんでしたが、みなさん走ったりしながらうまく風をとらえていました。時間はあっという間に過ぎましたが、まだまだ遊び足りない様子。引き続き遊んでもらうことにして、そのまま外で解散となりました。ご参加ありがとうございました。
全4回の館長講座、本日が最終日でした!新型コロナウイルス感染拡大のため持ち越されていた昨年度分がようやく開催できました。1年お待たせしたみなさま、誠にありがとうございました。
今回のテーマは幕末期のアウトローたち。いまの戸籍のような役割を担った「宗門人別帳」から、勘当や追放刑などによって外されてしまった「無宿(むしゅく)」と呼ばれた人々です。彼らはいわば無戸籍の状態で、多くが賭博などの犯罪に手を染めていましたが、一般の人々にとって単なる厄介者ではなく、娯楽や祭礼、打ちこわしなどの騒動の中で、一定の役割を果たし共に暮らしていたことが読み解かれました。
配布資料はなんと計66ページの大作!賭博に興じる夫婦の笑い話や、犯罪者でありながら治安維持にあたる「目明し」という存在…膨大な文書史料から、当時の人々のリアルな暮らしぶりが館長の軽妙な語りによって見えてきました。
今年の大人のための体験講座は、表具師・神尾顕斗さんをお迎えしてランプシェードを作りました。募集期間が短い中、定員12人のところ、約20人もの方にご応募いただきましたが、今回は密を避けるため抽選させていただきました。
はじめに、屏風の表具方法を、講師手作りの模型で説明していただきました。あまりの工程の多さに驚くとともに、繊細な技術が必要なことを実感しました。
いよいよ屏風の表具を応用したランプシェード作りに挑戦です。まずは「ハネつけ」で木枠をつなぎます。順番と位置を間違えると上手くいきません。複雑ですが、講師があらかじめ木枠に付けてくれた番号に従ってひとつひとつつなげ、アイロンで固定して第一段階終了です。足の長さを切りそろえ、各人思い思いのデザインイメージで選んだ和紙を表張りして完成です。めったに見られない仕事道具も見せていただくことができました。
参加者のみなさんからは「大満足」「良い企画」とのお声を多数いただきました。今頃、みなさんの枕元やリビングを素敵に照らしていることと思います。
3月20日、みなとぴあボランティア「よろい研究会」が「かぶとを折ってみよう」のたいけんを開催しました。
よろい研究会は、みなとぴあボランティア有志が2015年から開始した研究会で、これまで川村修就の鎧の再現などに取り組んできました。
今回は、よろい研究会が主体となって折紙でかぶとを折り、さらに前立てを自由にデザインしてつけてもらいました。
かぶとづくりが終わったら、よろい研究会お手製のよろいも着て記念撮影会。よろい研究会では、みなとぴあ所蔵の川村修就の鎧の実物
を調査し、鎧の構造や質感、ひもの色などにもこだわって研究してきました。材料は高価なものというより、ヘルメットや牛乳パックを使用。
子どもたちもあまり着たことのない鎧を着て、厚紙製の刀を手にしてポーズを決めるなど嬉しそうでした。
イベント後、「よろい研究会」の作品はエントランスで30日(火)まで展示しますので、是非ご覧ください。
今年度最終回のこども歴史クラブは、締めくくりとして1時間限りの宝物展覧会を実施しました。前回の自分の宝物調査シートを元に、
資料のネームプレートを作成し、資料を展示ケースに設置して、各自の展示を作りました。
資料タイトルを太字で大きくする、とか、資料に関係するイラストをネームプレートに描いて一体的なイメージをつくる、
見てほしい柄がよく見える角度にこだわるなど、それぞれが発見した”自分の宝物をよりよく見てもらえる方法”を用いて
展示を作成しました。
展示台に資料とネームプレートを設置し、アクリルフードをかぶせると、ガラリと雰囲気が変わりました。
観覧に来た保護者の皆さんも歓声をあげながら撮影されていました。
最後は全員の展示をみんなで鑑賞しました。ネームプレートの大きさや説明文などを講評し合って
おひらきとなりました。
今日のたいけんプログラムは、ボランティアスタッフによる砂絵づくりでした。新潟の砂丘の砂を実際に使って、絵をつくる体験です。
砂丘の上に成り立っている新潟で、身近なようでなかなかじっくり見ることのない砂。まずは小針浜の海辺の砂と、阿賀野川の川岸の砂を拡大鏡で見比べていただきました。磁石を入れてみると黒い砂、砂鉄が思った以上にくっつく様子も見どころ(?)。むかしそうやって磁石で遊んだというスタッフさんのお話しもありました。
さて、肝心の砂絵づくりはとてもカンタン。のり付きプレートに絵をかいて、砂に絵の具を混ぜたものを絵のパーツごとに掛けていくだけ。今回はこちらで用意した黒崎茶豆のキャラクターで作っていただきました。とはいえ同じ絵でも、色を選ぶ人の色彩感覚で印象がだいぶ変わります。小さな女の子が作ってくれた茶豆くんは、紫の輪郭線に白色の背景で、モダンで素敵な作品に仕上がっていました。
今日のたいけんプログラムは、伝統的な「押し絵」の技術をつかったおひなさま作りでした。押し絵は飾り物の羽子板などで有名です。各パーツを布で綿を包みこんで作り、それを組み合わせて一つの絵を作ります。平面のはずの絵画が立体的なものとなり、布のさまざまなデザインや質感が響き合って味のある作品ができあがります。
プログラムでは、ハギレなど身近な材料でおひなさま飾りを作りました。パーツを一つ一つを作るのはとても細かい作業で、大人の方々は夢中になって作っていらっしゃいました。お子さんたちも意外にも根気よく作ってくれて、小さな手は小さなパーツを作るのにちょうどよいのかもしれません。みなさん同じ型で作っていただきましたが、選ぶ布などによって、それぞれオリジナリティあふれる作品に仕上がっていました。
少しずつ春の兆しが見えてきていますが、冬の寒さも残る今日この頃、プログラムは、曇り空が続く新潟の冬にぴったりの、
窓飾りづくりです。ドイツや北欧で冬に楽しまれている、幾何学模様の折り紙をやってみました。
好きな色の紙で折り紙をして、それを重ね合わせて形作ります。3種類の模様のうち、好きな形を選んでもらいましたが、
1つ作ると、もう一つ、さらにもう一つ、と全部の形を作りたくなった人ばかりでした。大人もこどもも、集中して形をつくりました。
出来上がったら、ガラス窓に貼って形を確認しました。色の組み合わせで同じ形も違った風に見えます。窓飾りをつけた窓辺は、
柔らかな冬の日差しを受けて、華やかになりました。
今回のこども歴史クラブは、部員が自分の宝物を家から持参して、その宝物を博物館資料に見立てて、記録を作成しました。
三条の鍛冶道場にて自分で作った刀型のペーパーナイフ、ずっと小さな頃から身近においてかわいがってきたウサギのぬいぐるみ、
誕生日プレゼントにもらった大好きなコミックス、毎日の暮らしを支えてくれるデザインのかっこいいメガネ、クリスマスプレゼントに
おじいちゃんからもらったトイカメラ、とそれぞれの”大切”があふれるものを撮影、分類し、来歴やその特徴を宝物調査カードに
まとめました。
「どんなところが気に入ってるの?」「どうやって使ってるの?」など、ボランティアスタッフとやり取りをする中で、
改めて気づくこともあったようで、気づいたこともカードに書き込みました。
次回は、この宝物調査カードをもとに、宝物のネームプレートをつくり、展示して、1日限りのたからもの展覧会を開催します。
本日より、2020年度の新収蔵品展・収蔵品展「みなとぴあ ことわざ・慣用句事典」が開幕しました。新収蔵品展は、新たに寄贈された資料のうち、できるだけ多くの資料をご覧いただけるよう展示しています。今年度の企画展開催をきっかけに市民から寄贈されたものもありますのでぜひご覧ください。
収蔵品展はことわざ・慣用句をテーマに、ことばのもととなった暮らしの道具などを展示しています。
「雁首を揃える」、「横槌で庭掃く」など全部で25のことわざ・慣用句を紹介しています。関係する道具やそれらにまつわるエピソードもあわせて、ご覧ください。3月28日までです。ご来館をお待ちしています。
この日のたいけんプログラムはどんぐりをつかってコマとクルマをつくりました。どちらもどんぐりの回転がポイントです。
よく回りそうなドングリを選んだら、ポスターペンで色をつけてコマをつくりました。また、段ボールの車体にどんぐりタイヤを取り付け、
車体にはドングリをはじめ、いろんな木の実で飾り付けます。ハートの形のクルマや、大きなクルミの殻のヘッドライト付きのクルマなど、
それぞれに工夫が見られました。
最後は、たいけんのひろばに作ったどんぐりカーレース用のスロープで、みなとぴあグランプリが開催されました。制作者同士が火花を散らす、熱戦が繰り広げられました。
1月16日からサークルしろね絞りと共催で「しろね絞り」展を開催しています。
白根絞りは、新潟市南区白根地区で江戸時代から制作されている染め物です。布を糸でしばって染料に漬け、しばった部分が白く残るのを利用して様々な模様をつくります。
しばり方にも技法があり、鹿の子どもの毛皮の模様のような「鹿の子絞り」や蜘蛛の巣のような「手蜘蛛絞り」などがあります。白根絞りは明治末から大正期に生産のピークを迎えましたが、戦後は化学染料に押されて商業生産は行われなくなりました。昭和末期になって市民有志から白根絞りを復活させる活動が始まり、元職人の取材で前述のような絞りの技法を習得し、白根絞りは復活しました。白根絞りの技法は新潟市指定無形文化財に指定され、市民有志が結成したサークル白根絞りが技法を伝えています。
今回の企画展はみなとぴあとサークル白根絞りが「むかしのくらし展」をきっかけに構想し、準備や展示で協力して開催にこぎつけた展示です。2週間ほどの短い期間の展示ですが、ぜひ白根絞りの技法や作品のスケールを堪能してください。
まもなくクリスマス。この日のたいけんプログラムは、押し絵の技法を用いて、クリスマスツリーをかたどった壁飾りを作りました。
モミの木をかたどった厚紙に綿を乗せ、緑色の布でくるんだら、リボンやボタンで飾り付けます。リボンの配置や色、大小のボタンの配置に個性が出ます。おとうさんやおかあさんに手伝ってもらいながら、とてもステキなツリーが完成しました。
12月のこども歴史クラブは、お正月準備の一つ、門松づくりを行いました。
今年も西蒲区の岩室民俗史料館様にご協力いただき、実際の松や竹を用意していただきました。とくに青々とした松葉は香りがあって、また松脂やチクチクする葉の感触もあり、「松」を体感しながらの作業となりました。そして手づくりの門松は、高さがあったり横にボリュームがあったり、意外にもそれぞれ個性があっておもしろいです。単なる飾りでなく、歳神様がやってくる目印であるという役割も知ってもらいました。自分で作った門松で迎える新年、ぜひゆっくりとお過ごしください。
東京文化財研究所主任研究員の安永拓世氏をお招きして、特別講演会「江戸中期の画壇と五十嵐浚明―上方と新潟の交流と往来―」を開催しました。
江戸中期の絵画、とくに文人画に詳しく、また絵画の素材や売立目録など多岐にわたり調査研究をされている安永拓世氏に、当時の画壇の状況を踏まえた上で、新潟の絵師五十嵐浚明について語っていただきました。安永氏は事前に来館されて調査もされており、真摯に浚明作品に向き合ってくださいました。
とくに、文人画の大成者として名高い池大雅と浚明の関係、そして兵庫県高砂の豪商で文人でもあった三浦迂斎と浚明のやりとりを、実際の作品をもとに非常に具体的にご紹介してくださいました。お話しを聞きながら作品を見ていくと、当時の文人たちの、驚くほど奥深い世界が見えてきました。
参加者の方々からは「文人たちの交流に興味がわいた」「より広い視野から浚明を評価してもらい嬉しく感じた」など、多くの感想をいただきました。参加者のみなさま、そして安永先生、誠にありがとうございました。
古文書読解の基礎を学ぶ古文書入門講座を開催しました。
今年は感染症対策で全3回の短い講座となりましたが、20人ほど受講生が集まりました。まず2回で基礎を学び、最後の1回で少し長めの文章を読みました。題材は新潟奉行関係の「川村家文書」のうち、川村が幕府に伺いをたてずに裁許できた軽微な事件の記録である「手限物」を用いました。事件は家出で財布を拾った話、行方不明事件、借家の家賃問題といった現代の私たちも理解しやすいものを選びました。
秋・冬の親子自然体験は紅葉した葉や、木の実をつかったプログラムを実施しました。屋外で、ドングリをつかったゲームのあとは、
広場のあちこちを探して、気に入った形や色の落ち葉を拾いました。
拾った落ち葉は、お日様にかざすとセロファンのようにすこし透けて見えました。これを利用して、ステンドグラスのように、落ち葉をはめ込んだ恐竜の窓飾りをつくりました。落ち葉のいろや形を考えながら組み合わせた飾りはどれも上手にできていました。
「生誕320年記念特別展 五十嵐浚明」の関連事業として、新潟大学准教授の永吉秀司先生をお招きして水墨画の体験を行いました。最初に展示室で浚明の作品と技法を解説していただき、たいけんのひろばへ移って制作を行いました。
具体的な絵の描き方のお話を交えての作品解説はとてもおもしろく、作品そのものにグッと近づけた気がしました。制作では、単に輪郭線を用いるだけではない水墨の独特な技法を用いながら、濃淡による立体感・遠近感を感じさせる不思議な力を実際に体験しました。みなさん熱心に紙と筆に向き合い、それぞれに味わいのある作品を仕上げてくださいました。これを経験した後に改めて作品を見ると、そのすごさは本当に鳥肌ものです。プログラム終了後にまたじっくり展示室に滞在してくださる参加者様もいて、とても嬉しく思いました。永吉先生、参加者のみなさま、誠にありがとうございました。
今回の講座は新潟町の最大の娯楽だった、盆踊りの近代以降の変遷について新聞資料を元にお話ししました。現在の盆踊りの定番は新潟甚句ですが、これは昭和戦前期に新しくつくられたものです。江戸時代の盆踊りは街路や橋上で樽を叩いた音色をバックに、仮装して、自由に踊るものでした。明治期に風紀を乱すといった理由から禁止されますが、楽しみを止めることは難しく、踊って警察に捕らえられた人が度々いたことが記事に出てきます。明治31年には県は制限付きで盆踊りを許可します。日にち、時間を制限し、仮装したり、道路、橋上で踊ることを禁止しました。盆踊りは白山公園や寺院の境内、遊郭など広く場所がとれる所で踊られるようになりました。しかし往時の橋上で踊られていた盆踊りに郷愁を覚える人は多かったようで、ある記者は「新潟の盆踊りは本当をいえば橋の上などが最もふさわしい感じがするのだ。小足駄履きで、からんからんと足調子を取って橋板の上で軽く踊るのが、一等趣はあると思う」(昭和10年8月)と紙上に書き記しています。
昭和に入り、新潟を訪れた皇族をもてなすため、新潟民謡の振興に力を注いだ鈴木節美氏が現在踊られる新潟甚句を創作しました。庶民の娯楽であった盆踊りが郷土の芸能として様式化され、絵葉書、観光ガイドブックなどのメディアで広く紹介されることになったのです。その後戦時下で中止となり、戦後には公民館活動や民謡ブームによって、様式化された新潟甚句、佐渡おけさなどが広く踊られるようになりました。
自然は実りの季節を迎えています。この日のたいけんプログラムは、さまざまな実りから、次の世代につなげる「タネ」の工夫を
見て、触って、実験してみました。
まずはマツボックリ。みなとぴあの敷地にもたくさん落ちています。マツボックリを振ってみると、中からプロペラのようなタネが出てきました。「マツボックリはタネのおうちなんだね!」と声があがります。タネは風を受けてくるくると回りながら、できるだけ
遠くへ飛んでいこうとするのがわかりました。いろいろなタネをみたあとは、紙でタネの模型をつくって、どんなふうに飛ぶように
なっているのか、試してみました。
その後、オナモミで的当てゲームをしたり、ガガイモのフワフワとした綿毛を飛ばして、さまざまなタネがより遠くへ運ばれる
工夫を体験することができました。
現在、企画展「にいがたの昭和」が開催中です。それに関連し、5つの昭和のあそびを体験してもらうプログラムを行いました。
今回のプログラムでは、ベーゴマ、ビー玉、おはじき、おてだま、メンコの5つの遊びを体験してもらいました。どの遊びも子どもたちにとっては真新しい遊びばかり。その一方で、親御さんたちにとっては昔懐かしい遊びです。子どもたちは、親御さんから遊び方を教えてもらいながら様々な遊びにチャレンジしていました。5つの遊びのうち、特に盛り上がったのはベーゴマです。この日はベーゴマが得意なご家族がいらっしゃり、他のご家族にもベーゴマを教えてくださいました。そして、ベーゴマができるようになったご家族や当館ボランティア、また今回お手伝いにきてくれた新潟工業高校の高校生、さらには副館長も混ざり大ベーゴマ大会が行われました。これを機会にベーゴマの魅力を知った方も多くいらっしゃったようです。
昭和のあそびの楽しさを知ってもらい、かつ家族間、世代間交流ができたプログラムでした。なお、企画展「にいがたの昭和」は11月3日(火祝)までです。お見逃しなく!
みなとぴあでは博物館実習を2コース開催しています。主に県外の大学生を対象にした短期コースと、県内の大学生を対象にした長期コースです。
今回、長期コースの学生に、博物館実習の一環として体験の広場の押し入れを使ったミニ展示を制作してもらいました。2日間という短い期間での展示準備期間で、なおかつケースがない押し入れなので展示物や展示方法についても工夫が必要など色々大変だったと思います。実習生たちは考えた結果、「はかる」をテーマに「量る」「計る」「測る」道具をつかった展示をしてくれました。みなとぴあにお越しの際は是非ご覧ください。
この日のたいけんプログラムはみなとぴあを飛び出し、まちの中で150年前のにいがたの痕跡探しを行いました。
手がかりは明治時代に撮影された古写真。白山神社周辺を巡りながら、写真の中に写っているものが今もあるかどうか、また、風景が
どのように変わっているかを探検しました。県政記念館に立ち寄り、建物は変わらないけれど、かつては建物が川沿いにあったことや
裁判所の前には堀があったこと、また、今は、一番堀ポケットパークとして小さな水路も整備されていることを確認しました。
手がかりに使った古写真と同じアングルから写真を撮影して、家に帰ってから見比べてみる、という参加者もいました。
まちあるきには絶好の秋日和で、あっという間の1時間の探検でした。
今年も実りの秋がやってきました。みなとぴあ敷地のマテバシイもたくさん実をつけました。これを使って、石器体験を中心としたプログラムを行いました。まずは、どんぐりの採取からです。ぷっくりとして、きれいな色ツヤかたちのどんぐりを集めます。集めたどんぐりは石皿と磨石で殻を割り、中の実をすりつぶします。石器の打撃では、初めのうちはコントロールが効かず、割るはずのどんぐりがあちこちに飛んでいってしまいましたが、そのうちにコツをつかみ、つぶれない程度に石で叩き、殻を割る、ということができるようになりました。
石器を使ってどんぐりを加工した後は、文明の利器、ホットプレートを使い、現代人の舌に合うよう、バターと小麦粉、砂糖、牛乳を混ぜて
焼きました。マテバシイクッキーはほのかに甘く、素朴な味でおいしくいただきました。
10月に新年度を迎えたみなとぴあファンクラブの今年度最初のイベントは恒例のまちあるきでした。
今回は、新潟の近代化をめぐる、と題して、近代化の象徴でもある、教育施設や病院、上水道などの衛生に関わるところに焦点をあて、白山駅をスタートして、学校町〜旭町かいわいを巡りました。明治43年に完成した新潟市営水道で大きな役割を果たしていた関屋浄水場とその跡地利用や、関屋浄水場から南山配水場までの経路、県立新潟高等女学校の乙女坂や、明治21年に建てられた宣教師館の変遷、新潟医学校から新潟大学医学部までの変遷などを現地で
紹介しました。まちあるきのエリアは広い範囲ではないのですが、砂丘上にあるため、アップダウンがあり、大きな敷地をぐるりと回りながらの移動だったため、2時間歩き通しのイベントとなりました。
参加者には子どもの頃に近くに住んでいた人や、このあたりの学校に通っていた人も多く、当時の話などを共有する良い機会ともなりました。また、各見学ポイントの歴史的経緯などの解説については、よく知っている場所だけれどもそのような背景があったことを初めて知った、などの声も聞かれました。知っているようで知らない身近な地域の移り変わりを参加者の皆さんと確認することができたひとときでした。
今回のファンクラブ館長バスツアーは「村松・堀家をめぐる」をテーマに、五泉市村松を訪ねました。
新潟駅南口を出発し、まずは五泉市村松郷土資料館へ向かいました。資料館では五泉市教育委員会の方に案内いただきました。小さいながらも様々な展示のある資料館でした。
次に英林寺と正円寺を訪ねました。英林寺は新潟町の基礎をつくった堀直寄の墓のある寺です。正円寺には中世の線刻五輪塔婆があり、村松が中世の霊場であったことを学びました。どちらのお寺でもご住職がお話しを聞かせてくださいました。
最後は、村松藩に大切にされた住吉神社・日枝神社を訪ねました。日枝神社でもお話しを聞きながら、数々の宝物を見せていただきました。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点より例年より遅い開催、人数も半数以下、行程も半日、と制約のあるバスツアーでした。そのような中、ご参加くださった皆様ありがとうございました。バスツアーは来年も行う予定ですので、興味のある方はどうぞみなとぴあファンクラブにご入会ください。
9月の博物館講座は「蒲原郡の「関ヶ原合戦」」でした。
慶長5(1600)年に行われた関ヶ原合戦は小説や映画などにも取り上げられる日本史上有名な合戦です。近年、関ヶ原合戦は研究者の間で特に注目されているトピックとなっています。江戸時代以降に書かれた物語ではなく、同時代の書状を読み込んだ研究が行われ、例えば、合戦の布陣や小早川秀秋の寝返りのタイミングなどについて新たな説が次々に出されています。今年は関ヶ原合戦と干支が同じ(庚子)であることもあり、越後で関ヶ原合戦に伴って行われた戦いを取り上げました。
越後で行われた合戦は上杉家復帰を望む農民の一揆を、新領主の堀家や溝口家が鎮圧した戦いと考えられてきました。しかし、『新潟県史』以降見直しが進み、当時の書状などから堀家や溝口家が上杉家と和睦を結ぼうとしたり、上杉家も越後の奪還は短期目標ではなく、関東攻めを第一目標としていたことが指摘されたりと、越後をめぐる戦況がより複雑であったと考えられていることを、講座でまず紹介しました。
次に、新潟市域に関する話として慶長5年8月5日に行われた分田の戦いに木津(江南区)の農民が参加したエピソードがあること、9月中旬に新潟に柴田安定など東軍(堀家)の軍勢が集められ、築城も行われていたらしいことなど、本市と関ヶ原合戦の関係を紹介しました。
関ヶ原合戦では護摩堂山城など(田上町)が使われ、現在も史跡として残っています。合戦のエピソードを知っていれば、身近な史跡をより楽しめるのではないかと思います。
9月になっても新潟では記録的な猛暑が続いています。夏恒例のあかりづくりのプログラム、少し時期が遅くなりましたが、この日に実施しました。
灯明皿や行燈を模して、ガラス瓶を使った照明器具を作ります。和紙に好きな絵を描いて、瓶に貼って、燈心に火を灯すと、ゆらゆらと揺れる
光がぼんやりとあたりを照らします。描いた絵もふうわりと浮かび上がり、なんとも風流です。
奇しくも大型の台風が列島を襲った週末、むかしの明かりの使い方が停電の時に代用できることも参加者のみなさんと共有しました。
この日のたいけんプログラムは敷地クイズラリーを実施しました。旧税関庁舎、旧第四銀行住吉町支店建物、博物館本館建物と3つの建物にまつわるクイズを12問設置して、建物をめぐりながら、クイズに答えてもらいました。暑さが厳しい日でしたが、建物の陰に入ると川からの心地よい風が吹き抜けていました。難問もありましたが、おとうさん、おかあさんと相談しながら回答してくれました。2日間の参加者には
参加賞として、みなとぴあオリジナルの和柄ミニノートがプレゼントされました。1点もののミニノートにどれをもらうか、迷う人続出でした。
たいけんのひろばにて、着るものと夏のくらしに関するミニ展示を行っています。
来館者のみなさんにたいけんのひろば一番のセールスポイント、実物資料に触れるたいけんをしていただくことができないため、くらしに関する資料を紹介する小展示にシフトチェンジしています。今回は、着るものや手入れに関わる資料を展示しています。折を見て、展示の入れ替えも行っていきたいと思います。
常設展示室の展示資料を手がかりに、謎のメッセージを読み解く、常設展示クイズを実施しています。
遠くへのお出かけも難しく、いつもよりも短い今年の夏休みは、涼しいみなとぴあの常設展示室をじっくり見てみませんか。
みんなでいっしょに楽しめるよう、パパママガイドもついていますので、ご家族みんなで楽しんでもらえると嬉しいです。
夏休み期間中開催していますので、ご自由にお楽しみください。
たいけんのひろばに展示している高機をつかって、裂き織りを体験するプログラムを実施しました。
いらなくなった布を細く裂いた布を緯糸にします。好きな色の裂き糸を選び、デザインを決めたら、高機に向かいます。
踏み木を踏むたびに、経糸の上下が入れ替わることを確認して織り始めました。あっという間に長さ10pくらいの布が出来上がりました。
裂き織りは、裂き布の色柄がどんなふうに織りだされるかも醍醐味の一つですが、どのコースターもすてきに仕上がりました。
ソーダ水が似合う爽やかな色合いのもの、アイスティーが似合うシックな色合いのものなど、裂き布の組み合わせでオリジナルのものが
出来上がりました。
7月の博物館講座は、新田半人(にったなかと)という人物の足跡を通して、明治期の勧業・勧農政策について概観しました。
新田半人は女池新田の名主の家柄に生まれ、明治期の当主でした。自宅を開放し、女池小学校の前身「己千舎」を設立した人物です。新田半人は明治時代の新潟県における勧農・勧業政策にも深く関わった人物です。また、日本の農業教育の草創期に駒場の農学校で試業科生(農事見習生)として混同農事を修めました。帰郷後、農事試験場や、博覧会、共進会などに新田半人がどのようにかかわって来たか、また、そのかかわりから当時の勧業・勧農政策の一端を紹介しました。あわせて、新田半人が第3回内国勧業博覧会に出品したと伝えられる「蔬菜図」の画像を紹介しました。
蔬菜図の全画像は今回初めて紹介するものだったため、楽しんでいただけたようでした。また、新田半人という人物を今回初めて聞いたという人も多く、今後も地域の博物館として知られざる人々を掘り起こしてその業績を紹介してほしい、という声もいただきました。
次回は8月23日、「大庄屋制を支えたものー新発田藩領の場合」と題して、安宅学芸員が担当します。
7月23日(木)と24日(金)の2日間、ワラ紙づくりを行いました。今回は、24日(金)の様子をレポートします。
プログラムは、ワラを薬で煮たものをミキサーにかけて、型に流し込んだ後、水分を切り、アイロンで乾かして紙にするという内容でした。もうすぐ夏休みということで、自由研究にしたいというお子さんはもちろんのこと、「今年はおじいちゃんおばあちゃんに会えないから、ワラ紙をつくってお手紙を書く!」というお子さんもいました。完成形をみせてもらうと、ワラ紙に自分でつくった折り紙を貼っているお子さんも。様々な道具を使いながら、個性あふれる作品を楽しそうにつくっていました。
今回展示したのは新潟の絵師行田魁庵(なめたかいあん)の花鳥図屏風です。山中の清流に青いもみじが枝をのばし、岩かげではタチアオイやユリが色鮮やかに咲いています。
行田魁庵は、嘉永4(1851)年に京都より帰郷してから新潟では売れっ子の絵師だったようで、初代新潟奉行の川村修就(かわむらながたか)からも肖像画の注文を受けていたことがわかっています。花鳥画を得意とした魁庵が描く、初夏の風景をお楽しみください。9月いっぱいまで展示予定です。
朝までの雨に開催が危ぶまれましたが、10時には雨も、気温も上がってきました。この日の親子自然体験は
敷地の中でカードにかかれたものを探して見つける「みーつけたビンゴ」、そして、探して採集した自然の草花を
食べ物に見立てた「草花でおべんとうづくり」、そして、蒸し暑い時期にぴったりの「竹の水鉄砲で的あて」をしました。
小さな花や虫を見つけては、「みつけたよ!」「ここにいた!」とあちこちからかわいい声が上がります。みなとぴあの庭をぐるりと一周して
いろんな花を見つけました。見つけた花や葉っぱでお弁当を作った後は、水鉄砲で遊びました。的に描かれていた動物がわかったころには
上手に竹の水鉄砲が使えるようになりました。
4月から開催してきた「いっぴん―学芸員おすすめの品」展が閉幕しました。
みなとぴあの定番資料や新潟を象徴する資料、初めて展示する資料など学芸員がイチオシの資料30件を紹介しました。新型コロナウィルス感染拡大の影響で3週間の休館がありましたが、自館資料である強みを活かして、「エア博物館」の一環でインターネット上での情報公開も行いました。
再開後は展示期間を2週間延長し、5月下旬に展示解説会も再開すると、次第に来館される方も増えていきました。過去にない事態に直面した企画展でしたが、休館する中で博物館が何ができるかを考えたり、やはり来館者が楽しんでいる様子が一番良いと思ったりした、学芸員にとって印象深い企画展になりました。
当館が事務局となっているみなと新潟実行委員会主催「古町ワークショップ成果発表パネル展」ほんぽーと(新潟市立中央図書館)会場が開幕しました。
昨年行った大人向けワークショップ「昭和の古町を掘り起こしてみよう」と子ども向けワークショップ「古町いまむかしカルタをつくろう」の成果パネルをほんぽーとエントランスホールにて3月1日(日)まで展示しています。
この2つのワークショップは、古町地区をはじめとする中心市街地の魅力を掘り起こそうと企画したもので、その成果をパネルにまとめて頂きました。参加者の皆さんの思いの詰まった力作、ぜひご覧ください。
気持ちよく晴れ渡ったこの日、新潟の冬らしくないぽかぽか日差しの中で開催しました。プログラムの初めは、たいけんのひろば内で、 季節の野菜や果物のクイズ。においや手触りをもとにそれが何かをあてるゲームでした。おとうさん、おかあさんといっしょに においをかいだり、さわったり。「いいにおい!」「すっぱい感じ。」「ふにゃふにゃしてる。」「つるつるだね。」 親子で相談がはじまります。「それが何かわかっても、いいよと言うまで秘密にしていてね」とプログラムの進行役から言われていたのに、 わかったことがうれしくて、ついつい、「わかった!みかん!!」と言ってしまった声が響き渡りました。 この後、ピーナッツ釣りゲームをしてから、外にでて、身近な冬を感じました。
外では、動物を描く、というお題で、白い紙の上に、自然物を持ってきて、見立て絵を描きました。 何を描くか決めたら、葉っぱや枝、実、石などを採ってきて、並べて動物の顔をつくります。 「目はどんぐり!」「石にしたよ。」「耳はどうしよう。」「ひげもあるね。」いろいろとってきては、 自分のイメージとあう形がどれかを比べながら完成させました。かわいい動物の顔がたくさんできました。
当館が事務局となっているみなと新潟実行委員会主催「古町ワークショップ成果発表パネル展」が開幕しました。
昨夏から秋にかけ開催した大人向けワークショップ「昭和の古町を掘り起こしてみよう」と子ども向けワークショップ「古町いまむかしカルタをつくろう」の成果パネルを市民プラザミニギャラリー(中央区西堀通6 NEXT21ビル6階 午前9時〜午後7時)にて1月29日(水)(29日は午後2時まで)まで展示しています。
この2つのワークショップは、古町地区をはじめとする中心市街地の魅力を掘り起こそうと企画したものです。参加者が古町地区を歩いて、写真を撮影したりインタビューしたりして取材し、その成果をもとにパネルやカルタにまとめました。参加者の皆さんの思いの詰まった力作ぞろいです。ぜひご覧ください。
市民プラザでの展示が終わった後は、ほんぽーと(新潟市中央図書館)エントランスホールにて、2月6日(木)〜3月1日(日)の期間で開催します。
みなとぴあを事務局とする「みなと新潟実行委員会」では、去夏、小学生と一緒に、古町地区を題材としたカルタづくりのワークショップを実施しました。その成果品であるカルタが完成したので、完成記念お披露目のカルタ大会を実施しました。
ワークショップに参加して自ら読み札を考え、絵札を描いた人や、カルタ好きが集まり、カルタ取りをしました。また、有名な「上毛カルタ」にならい、競技大会風に、個人戦、ダブルス戦も開催しました。和気あいあいと行うつもりが、白熱した戦いが繰り広げられました。
得点計算もひと工夫して、新潟らしく、みなとまち文化に関わる札3枚や文明開化にちなんだ札3枚を役札にしたりしたので、点数計算も
盛り上がりました。
また、このカルタはたいけんのひろばにおいていますので、多くの人に楽しんでもらえればと思います。
明治時代の写真で「飛び出す写真」をつくりました。
「飛び出す写真」とは、写真を何枚も重ねて立体的にする「シャドーアート」の技法でつくるものです。今回は、企画展「地図と写真からみる新潟の文明開化展」でも展示されている明治初期の古町を撮影した写真でつくりました。同じ写真でも切る場所や重ね方により違った作品ができ、作品を見せ合う姿もみられました。また、切る場所を決める時や切っている時には、「真ん中に人がいる」「街灯が立っている」など、写真をみて様々な発見がありました。作品をつくりながら、楽しく明治時代の新潟を知っていただけたのではと思います。
新年最初のたいけんプログラムは、昔ながらのお正月遊びを楽しみました。
福笑い、羽根つき、コマ回し、ダルマ落とし、すごろく…いまでは家で遊ぶことの少ないお正月遊び。新鮮に感じられることも多いようです。子どもも大人も「意外と難しい」「意外とおもしろい」と言いながら、アナログな遊びに挑戦してくださいました。とくに人気だったのは羽根つき。固い羽子板と小さな豆は、思う以上にコントロールが難しいのですが、だんだんとコツを覚えてラリーが続くと達成感があります。豆が板に当たってはねる高い音がひろばに響いていました。
今回は自分で遊び道具を作ってしまおう!ということですごろく作りも行いました。自由にテーマを決めて、マス目のイベントも設定し放題。しかし実際に考え始めるとなかなか難しいようです。ご近所のお食事処をめぐるもの、自分の旅行になぞらえて関東から北海道をめざすもの、好きなキャラクターを獲得していくものなど、オリジナリティあふれるすごろくができあがっていました。
「地図と古写真でみる新潟の文明開化展」が開幕しました
開港場となった新潟町では、「県都」として学校や病院、銀行などの新たな施設が建てられていきました。また、外国人にみられて恥ずかしくない町を目指し、町並みも整備されていきました。当時の地図や写真をみると、その様子が写実的にみえてきます。本展覧会では、明治期の地図と写真から、開港以降の新潟の町の移り変わりを紹介しています。
魅力のひとつは、新潟市内を描いた明治期の地図を数多く展示していることです。新潟大神宮さんからお借りした「新潟港実測図」(明治14年)をはじめとする地図を約26点展示しており、特に地図好きの方には楽しんでいただける展示となっています。
また、新潟開港150周年記念『明治のにいがた ―地図・写真―』も好評販売中ですので、あわせてご覧いただければと思います。
今月のこども歴史クラブはお正月の準備として門松作りを行いました。
お正月飾りの門松は、年神様がやってくる際の目印。そうやって年神様をお迎えすると新年ということになります。
当館で作る門松は、西蒲区の岩室民俗史料館さんに準備していただいています。高さ30センチほどの使いやすいサイズでありながら、本物の竹と松を使った本格派です。チクチクした松葉や松脂のベタつきに格闘しながらできあがった門松は、松葉が元気に広がったものや、スッと高く立ち上がったものなど、思った以上にそれぞれ個性的に仕上がっていました。みなさまどうぞよいお年をお迎えください。
テレビや電話機、ドアノブ、つくえの上など、昭和のころは家の色々な場所に布がありました。その思い出を来館者の皆さん書いていただく「布の思い出おしえてください!」の中間結果を発表します。
9月中に7件、10月中に7件、11月は19日現在4件、計18件の情報が寄せられています。具体的には次のような情報です。
・昭和40年代、たしかにテレビに布カバーがありました。
・ミシンにもカバーをかけていました。
・昭和40年代からのれんをかけ続けています。
・昭和40年ごろ、鏡台に家紋入りの布がかけてありました。
・ピアノにカバーをかけていました。
・戦前の生地を使った裂き織りのこたつカバーを使い続けています。
まだまだ情報をお待ちしています。最終的に集まった情報については、布とむかしのくらし展HPやみなとぴあの出版物で紹介します。
季節ごとに開催している、親子でみなとぴあ自然体験、この日は爽やかな秋晴れの中で開催しました。忍者の修業と銘打って、
保護者といっしょに身近な自然に触れあいながら遊びました。
3つのグループに分かれて、グループごとに修業に励みます。
どんぐりのついた手裏剣を投げたり、風を感じながらの忍者走り、まつぼっくりに姿を変えた敵を探す修業など、
”忍たま”に扮したこどもたちが、税関前の芝生広場を走りまわりました。ツヤツヤしたどんぐりをひろったり、
紅葉した落ち葉を踏みしめて、その音やふみ心地を楽しむなどこの季節ならではのたいけんができました。
全4回の古文書入門講座が始まりました。
1、2回に形から文字を特定する方法や文脈から文字を推測する方法を学び、3、4回目でくずし字の文書を読んでいきます。
『北越奇談』やみなとぴあの所蔵資料をテキストにし、文章を声に出してもらうなどしながら学んでいただきます。
今回のプログラムは(公社)インテリア産業協会との共催で、柿渋を使ってコースターや鍋敷きなどをつくる柿渋工作を行いました。インテリアコーディネーター新潟協議会の会員の皆さんが作り方や材料について指導してくださいました。柿渋は、青い柿からつくる塗料で、防水、防腐に効果があるため、古くから住宅の建材や道具などの保護や耐性を高めるために使われてきました。今回は、準備された4つの異なる木材の中から好きなものを選んで、柿渋を塗って完成させるものでした。
木材は杉やカラマツなど、木の硬さが違うものから自分の好みや、模様をつけるかどうかなどを鑑みて選びます。やすりで木口を滑らかにして
柿渋を塗って、乾かして完成させました。柿渋は日光に当てると色が濃くなる、とのことで、持ち帰って、つくったものを好みの色に育てていくのも楽しみになりそうです。
ご参加くださったみなさま、講師のみなさま、ありがとうございました。
むかしのくらし展に関連して、佐藤洋子さん(亀田縞の洋服オーダー販売のパクチープラス)を講師にお迎えし、亀田縞をつかったくるみボタンづくりのワークショップを行いました。
始めに佐藤さんから亀田縞の歴史をお話ししていただき、布の手触りをみんなで確かめた後、好きな柄を選び、大小2つのボタンをつくりました。同じ布を選ぶ人、色合いを揃える人、縞の太さを揃える人、全く違う雰囲気の布を選ぶ人など、
それぞれの好みがよく出たボタンができました。2つのボタンはまとめてヘアゴムしたり、大小1つづつにしたり、ブックバンドにしたり、とゴムの色や形、長さの違いでまた個性が出ていました。
これまでの活動を踏まえて、読み札を考えた前回の活動を受けて、この日はカルタづくりの集大成、絵札を描く会を行いました。
ワークショップ参加者に加えて、絵札作成協力者の皆さんも参加して、絵札が描かれました。
ひとり2〜4枚の絵を描くこととし、
44の読み札の題材から好きなものを選んで絵札を描きました。描きたいイメージが先行して、「全体のバランスが悪くなっちゃった!」とか、「ここは何色がいいかなあ」とにぎやかに絵札が描き進められました。
11月2日・3日にも絵札を描く会を開催します。みんなに
描いてもらった絵をつかって、カルタを製品化する予定です。お正月には、古町カルタで遊びたいと思います。
秋です。みなとぴあにも実りの季節がやってきました。山では木の実が不作とのニュースが報じられていますが、
みなとぴあには身がつまってぷっくりとしたマテバシイの実がたくさん落ちています。マテバシイの実はどんぐりの中ではアクが少ないのでこれをクッキーにして食べてみました。
縄文人にならい、まずは採集から。とったドングリは表面を洗って汚れを落とし、石器を使って殻を割り、実を粉にします。空いた時間を使って常設展示室に展示してある石器も見学しました。
粉にしたどんぐりと小麦粉、バター、砂糖、牛乳を混ぜて生地を作り、形を整え、
ホットプレートで焼いたら出来上がり。現代の私たちの味覚に合わせたクッキーでしたが、どんぐりのプチプチとした食感と素朴な
味わいは、つい2つ目、3つ目と手が伸びるものでした。
布とむかしのくらし展関係イベント「絞り染め体験」を開催しました。
開催中の布とむかしのくらし展では、新潟市の白根地区で江戸時代から製作されていた「白根絞り」を展示しています。作り方はビデオでも紹介していますが、実際に作ってみることで大変さや面白さを知ってほしく、絞り染め体験を開催しました。
講師にはサークル白根絞りの方々にお願いしました。ただ、白根絞りは技術や製作時間の関係で難しく、子どもたちもできる基本的な絞り染め体験をお願いしました。
当日はハンカチを染めました。子どもはゴムや王冠、割りばしなどを使い、大人は針で布を縫って模様を付けました。縛ると布は不思議な形になり、どんな模様になるか予想できません。
染めの工程に入ると、まず15分ほどコンロで温めつつ染料で染めます。定着液につけ、脱水してから糸をほどきます。糸をほどくと王冠や割りばしをつけたところが花びらのような模様になりました。
体験では時間は3時間近くかかり、難しい作業もありました。でも、きれいで、世界に一つだけの模様のハンカチができて、子どもも大人も嬉しそうでした。
むかしのくらし展関係イベントの「洗濯板とひのしを使ってみよう」を開催しました。
ひのしは炭の熱を使って服のしわをのばす、むかしのアイロンです。洗濯板は、服とせっけんをこすりつけて汚れを落とす道具です。
ひのしは戦前くらいまで、洗濯板は昭和30年代くらいまで使われていた道具で、使われなくなって久しい道具です。今回、むかしのくらし展に合わせて、子どもたちに体験してもらう機会をつくりました。
実際に道具を使ってもらうと、子どもたちはひのしの重さにびっくりするなどおそるおそる使っていましたが、しっかり布のしわが伸びると、興味を持ってもらえたようです。
洗濯板はひのしに比べると知られていることや、よごれが落ちるのがよくわかることもあってか熱心に体験をしてもらえました。
むかしのくらしの工夫や大変さを実感してもらえたようです。
この日の歴史クラブはみなとぴあを飛び出して、白山公園周辺に残る新潟が開港した頃の痕跡を探そう、と
明治前期に撮影された写真と今の風景を見比べながら、まちあるきを楽しみました。
白山公園は明治6年の太政官布達を受けて作られた日本で最初の公園のひとつです。明治天皇の巡幸にまつわる美由岐賀岡にあがったり、
ひょうたん池や白山神社の鳥居を写真と見比べてみたりしてみました。
白山公園を後にし、新潟学校や官立英語学校・官立師範学校など、明治時代になって作られた、新しい制度に関わる施設が
あった場所を見たり、写真の一番堀があった様子と今の様子を見比べました。
最後に、新潟県政記念館にお邪魔して、
明治時代の県会議員の気分を味わいつつ、県会議事堂が信濃川の河畔にあり、今と景色が違っている様子などを確認しました。
今も残っているものがあるかどうか、古い写真を手に、今の風景から推測しているこどもたちの様子はまるで探偵のようでした。
猛暑のため延期していた、古町カルタをつくろう・まちあるきの回を開催しました。この日は、旧小澤家住宅を皮切りに、
下本町商店街や日和山、往生院などいわゆる新潟の下町界隈をはじめ、古町花街とよばれる辺りをあるきながら、カルタの
題材になりそうなものや風景をさがし、カメラで撮影するという活動をしました。
下本町市場では、「ナスが大きい!」と新鮮な野菜が並んでいる様子を激写し、日和山では日和山五合目館主の野内さんに
日和山の資料や、屋上から今の日和山からの景色を見せてもらいました。
街並みや小路、古町花街の料亭や置屋の建物などが残る風情、オーバーアーケードなど、今と昔が混在する町の様子に、
創作意欲も掻き立てられたのか、「ひとりで絵札も読み札も44枚ずつかいて、自分だけのカルタを作りたい!」という意見も飛び出しました。
行く先々で、町の方々に声をかけてもらい、ステキなかるたをつくろう、という気分も高まったようでした。
第16回むかしのくらし展「布とむかしのくらし」が始まりました。布を作る道具や洗濯・裁縫の道具、新潟市ゆかりの布などを紹介します。
12月8日までです。入場無料ですので、是非ご観覧ください。
この日のたいけんプログラムはみなとぴあの敷地内にある樹木の葉っぱをつかって、ブローチを作りました。
外に出て、みなとぴあにある樹木から、好きな形の葉っぱを採集します。桜やマテバシイ、
ツツジにからまっていたヘクソカズラなどが形がきれいで人気でした。
部屋に戻って、葉っぱの上にグルーガンを流しこみ、葉っぱの型取りをします。グルーガンが硬化したら、葉っぱをはがして、彩色します。
緑色にとらわれず、自由に色をつけていきました。本物そっくりの緑にする人、季節先取りで色づいた葉にする人、ファンシーなパステルカラーにする人、と色とりどりの葉っぱブローチが完成しました。
蒸気の力で進むポンポン船をつくって遊びました。ポリスチレンボードをカットしてつくった簡単な船体に、細いパイプとロウソクを取り付ければ完成です。水に浮かべてパイプに水を入れてやれば、その水があたたまり、蒸気となってパイプから噴き出すため、それがエンジンとなります。
船が動き出すと歓声が上がり、盛り上がります。小さなタライの中ではありますが、ミニレースや力比べなど、思う存分遊んでもらいました。あす4日も開催です!
季節ごとに開催している親子自然体験、この日は、夏を感じるプログラムを行いました。たいけんのひろばで夏の草花の葉っぱを
いろいろと探した後、ペットボトルを使った簡単な工作をして、敷地内の堀に向かいます。
堀では、ペットボトルのシャワーで遊んだり、葉っぱの舟を浮かべて走らせたり、と水辺のあそびを楽しみました。蕗の葉をまるめて、
ジョウゴにしたり、と身近な草花を道具にできる発見もあったようでした。
「新潟開港150年 新潟古町の記憶と魅力発信事業」の一環として、小学生を対象に古町地区の移り変わりをテーマにした
カルタづくりワークショップを行いました。第一回目のこの日は、みなとぴあの展示や収蔵資料の写真・絵はがきなどから、江戸時代から
現代までの古町地区の変遷をたどりました。
明治時代の建物が残っていること、昔からのお店が今も営業していること、昔はデパートの屋上に小さな遊園地があったこと、など、みんなに知ってほしい古町地区の事柄が見つかりました。
次回は実際に古町地区を歩いて、カルタの題材になりそうな風景を探す予定です。
久しぶりに塔屋見学会を開催しました。
本企画は、開港150周年を迎えるのを機に、定期的に塔屋見学会を開催したい!というボランティアの声から行われた企画です。当日は、あいにくの雨天でしたが、13時から15時の間に約60名の方にご参加いただきました。建築を学んでいる学生さんにもご参加いただき、塔屋からの眺めだけではなく、建築の構造についてもみていただきました。また、近々行う予定ですので、是非ご参加ください。
「新潟開港150年 新潟古町の記憶と魅力発信事業」のうち、みなさんの思い出の中の古町を掘り起こす「みんなの古町プロジェクト」のキックオフとして、「古町の歩み〜誕生と発展、その役割の移り変わり〜」と題した講演会を開催しました。
古町を中心に、町の性格が時代とともにどのように変化してきたのかについて、伊東館長が講演しました。会場のクロスパルにいがたには暑い中、多くの人にお集まりいただきました。質疑応答では、会場から多くの質問が集まり、街の姿についてもう一度捉えなおそうとする参加者の皆さんの熱意を感じました。
新潟開港150周年記念展開港場新潟展が開幕しました。本展では、みなとまち新潟の画期となった開港前後、幕末に新潟開港へと歩んだ道のりから開港を迎え変化していく新潟の町の様子、明治中期に進展した近代化の様子まで、文書や地図絵図、写真などのさまざまな資料からご紹介いたします。
また、企画展示室前ロビーでは関連展示として(株)本間組所蔵「和船復元図」展を開催しています。この復元図(レプリカ)は古代から近代までの和船を歴史考証に基づき精密に描いたもので、16点を展示しています。作品は当館の歴史発見プロジェクトを協賛いただいている(株)本間組の提供です。
和船復元図展は無料でご覧いただけます。ぜひ開港場新潟展とあわせてご覧ください。
燻蒸休館明け、本館2階の常設展示室は一部展示替えを行いました。新潟県指定文化財となっている、幕末初代新潟奉行の川村修就ゆかりの品々から、今回は奉行所内で普段使われていたと考えられる身の回り品を展示しました。修就が「眠りの友」と記した脇息や、新潟奉行所を意味する「新潟官舎」の印判など。奉行所内で執務していた修就の姿を少しリアルに想像していただければ幸いです。展示は9月頃までの予定です。
今回は、もうすぐ七夕ということで、ワラで短冊をつくりました。煮たワラと水をミキサーでまぜ、それを漉いていくことで紙をつくります。そして、作ったワラ紙に願いごとを書いていただきました。「世界が平和になりますように」というほっこりする願い事もあれば、「早く学校にクーラーが設置されますように」「雨女が直りますように」といった個性的な願い事も多くみられました。
また、折り紙をつかって七夕飾りもつくり、色とりどりの七夕飾りが吊るされました。みなさんの願い事が叶いますように。
6月の博物館講座は「小泉蒼軒文庫所収文書にみる戦国・江戸の越佐」でした。
小泉蒼軒は江戸時代後期から明治初期を生きた名主であり、今でいう地理学者です。蒼軒は越後・佐渡各地を見聞し、時に新発田藩の武士や各地の村などで古文書をみせてもらい、筆写(書き写し)ています。小泉蒼軒の作品や書き留めた記録は「小泉蒼軒文庫」として新潟市立新津図書館に寄託されています。
蒼軒の記録に所収(収録)されている古文書には、今まで知られていなかったものがあります。今回の講座では、天正2(1574)の上杉謙信と小田原北条氏の戦いに関する史料、永禄5(1562)年の佐渡の争乱を伝える史料、江戸時代初めの百姓の「走り」に関する史料などを取り上げて紹介しました。
蒼軒の残した記録は、新潟市や新潟県の歴史の新たな事実を明らかにしてくれる可能性があります。どういった経緯で書き写したのか十分明らかではないものもあるので、蒼軒自身の動向も調べていく必要があります。
なお、今回紹介した古文書は当館研究紀要15号(2019年刊)で紹介していますので、是非ご覧ください。
次回は7月28日、「明治新潟と軽犯罪の取り締まり」と題して鈴木学芸員がお話しします。
この日は、身の回りのものを使って、絵の具をつくりました。絵の具は色のもととなる顔料とそれをくっつける役目を果たす展色材を
混ぜ合わせて作ります。今回は、たまごの殻、鹿沼土、ホウレンソウ、ブルーベリー、パプリカの5種類を使いました。
材料をすり鉢にいれて、粉々にして、アラビアゴム溶液を混ぜて、水彩絵の具をつくりました。鹿沼土を細かく砕いて、溶液をまぜて出来上がった絵具は…、「お味噌みたい!」ブルーベリーやパプリカは鮮やかな色で、あちらこちらから
歓声が上がりました。食材は、それ自身が水分を多く含んでいるので、水っぽい仕上がりになりました。
出来上がった5色を使って、絵も描いてみました。大人もこどももたのしいプログラムとなりました。
とんぼ玉はガラスのビーズのことです。現代的なものに思えますが、新潟の遺跡からも出土しており、2000年も前の大昔から日本でも作られていたようです。
現代のガスバーナーを使ってガラスを溶かし、棒に巻き付けることで孔のあいた玉を作ります。きれいな丸い形にするのは難しく、子供も大人も手に汗握りつつ、真剣に取り組んでいました。古代の人たちは火と格闘しながら苦労して作っていたのでしょう。その大変さと技術の高さをしみじみ感じます。
今年度第一回目の博物館講座は、明治期の小学校教育をテーマに開催しました。明治時代になり、新政府によって教育制度が
整えられていく過程と、その過程にあわせて、地域が学校を設置し、学校のあり方が変わっていったこと、
また、当時の授業の様子などを資料から紹介しました。小学校という身近なテーマだったからか、小学生から70代の方まで受講者が幅広く、
初めて講座に参加された方が多かったのも印象的でした。
小学校は、学校のある地域と密接なかかわりがあることから、受講された方からは、自分が卒業した
学校の歴史を調べてみたい、といった感想も聞くことができました。
次回は6月23日、「小泉蒼軒文庫所収文書にみる戦国・江戸の越佐」と題して田嶋学芸員がお話しします。
企画展「新潟市の文化財」と市の「動く市政教室」とのコラボによって、市内の文化財をバスで巡りました。展示室には展示できなかった不動産の文化財を実際に訪ねる企画で、昨年秋に国の史跡に指定されたばかりの新津油田金津鉱場跡がある秋葉区と南区の文化財をめぐりました。
参加者は30名、応募多数による抽選で選ばれた方々です。最初の見学地が秋葉区の古津八幡山遺跡です。戦いに備えた弥生時代の高地性環濠集落とその後に築かれた県内最大の古津八幡山古墳が国の史跡に指定されています。この広い遺跡を散策した後、金津鉱場跡に向かいました。ここでは3班に分かれ、ボランティアガイドの案内で新潟の近代の工業を支えた全国的にも珍しい油田跡を見学しました。その後、隣接する里山ビジターセンターで昼食休憩を取り、南区の旧笹川家住宅に向かいました。ここでもガイドの方2名に引率され、国の重要文化財である建物群をじっくり見学することができました。最後の見学地が旧笹川家住宅の隣にある諏訪神社です。この本殿が江戸時代初期の古い建造物で県指定の文化財に指定されています。普段公開されていない本殿を氏子代表の方から特別に開けていただき見学することができました。
今回の見学会を有意義で特別なものにしてくださいましたガイドの方々、諏訪神社の氏子の方々に感謝いたします。
当館エントランスにて、「神楽舞の実演」を開催しました。ご出演いただいたのは、市無形民俗文化財に指定されている長場(ながば)神楽保存会の皆様です。
長場の神楽は田園に囲まれた北区長場に伝わる民俗芸能で、今回は獅子頭をかぶり舞う「神楽舞」のほか、「新保(しんぼ)サイ」、「棒踊」、「四切舞(よつぎりまい)」の4演目を披露していただきました。神楽舞では、獅子がお客様の頭を噛んで無病息災をお祈りしてくれました。小さなお子さんは獅子を怖がって泣き出す場面も。演目最後の四切舞は、刀を手にした4人の舞手が刀を振り回す迫力満点の舞でした。午前、午後の実演は、大勢のお客様にお出でいただき盛会のうちに終了いたしました。
ご来場の皆さま、快く出演に応じてくださった長場神楽保存会の皆さま有難うございました。
連休最終日、ご近所で開催したつつじ祭りに、みなとぴあのボランティアが出張し、日頃の体験プログラムを応用して「こども広場」のお手伝いをしました。
大きな紙を折ってカブトをつくり、ボランティアが手づくりしたよろいを着て写真撮影してもらいました。ほかにもみなとぴあの体験プログラムで作ったワリバシ鉄砲や折り紙コマ、紙けん玉などを持込み、自由に遊んでもらいました。
つつじ祭りはたくさんの屋台やフリーマーケット、そして演奏だけでなくキッズファッションショーやパン積み大会などステージイベントが充実して、とてもにぎやかでした。今年で第14回、下町を盛り上げるつつじ祭りをみなとぴあも応援しています。
江戸時代の人々が楽しんだパズル遊び「清少納言の知恵の板」。正方形の板を7つに切り、その7片を組み合わせてさまざまなモノの形をつくり出す遊びです。
江戸時代半ばに手引き本がつくられていますが、苫舟や曲尺など、今の生活では少し遠い世界のモノも多いです。昔の道具について学びつつ、7片の形をどう組み合わせたらそれが出来あがるのか、こどもから大人まで夢中になって知恵をしぼりました。シンプルなアナログの遊びですが、頭の中は複雑な運動になります。現代でも十分楽しめる上、遊び道具自体も自分で簡単に作れるのでおすすめです。
街ではこいのぼりも飾られる時期になりました。たいけんのひろばでは、ボランティアさんたちが考案したこいのぼりづくりのプログラムを行いました。傘袋をこいのぼりにして、ウロコやヒレ、目などを自由に作ってもらいます。
ある人は大胆に大きな紙をドンと貼り付け、ある人は緻密に細かなパーツを組み合わせ、ある人はカラフルに紙のいろんな模様を使って、ある人はシンプルに1柄だけを利用して、とみているだけで楽しいコイができました。
最後に本来は矢車があるところに風車を取り付けました。この風車がとてもよくまわるので、うれしくなってこれをもってたいけんのひろばを走る人が続出しました。
春のうららかな陽気の中、みなとぴあの敷地の中の草花などを探して、見て、さわって、匂って、と五感で春を感じながら、親子で身近な自然に親しみました。
紙皿のバスケットには、つるつるしたもの、いい匂いのするもの、などのヒントが書かれています。そのヒントにあった自然物を
みなとぴあの中で探してみました。においのするもの、というところでは、ヨモギの葉やサクラの花びらなどが見つかったようです。
ほかにもツバキの花や、八重桜、タンポポやヒメオドリコソウなどを見つけました。小さな花や虫を発見して、その不思議を見つめるちいさなまなざしとその姿をあたたかく見守るパパ・ママの様子がとてもステキなプログラムでした。
企画展「新潟市の文化財」の関連企画として標記の講演会を開催しました。講師は入江清次さんと大森慎子さんのお二人です。入江さんは新津第二中学校の校長先生で昨年度まで新潟市の歴史文化課に籍を置き、指定文化財の業務に携わってこられました。大森さんは新潟市の学芸員で主に美術作品を中心とした文化財の業務に携わってこられました。
入江さんからは市内に所在する歴史的な指定文化財の中から新潟ならではのものを選んでいただき、その見どころや性格をユニークな余談を交えながらお話していただきました。有形・無形、民俗、記念物など多岐に分類された指定文化財の話題にも触れ、それぞれの事例が紹介されたことで興味深各種の文化財の特徴を知ることができました。
大森さんから紹介していただいたのは美術作品の指定文化財です。市域の所在する主な美術品を原始、古代、中世、近世、近代の時系列に分類して解説していただきました。美術品を通じて歴史の流れが分かる面白さとともに、解説を通じて制作された意図や作者の思いが伝わってきました。
今回の講演会には54名の方々が参加してくださいました。ありがとうございました。
新潟税関支署さんご協力のもと、みなとぴあ春の税関まつりを開催しました。
このイベントは、旧新潟税関庁舎があるみなとぴあを舞台に、税関の今と昔を楽しみながら知ってもらうことができたらと企画したものです。
麻薬探知犬のデモンストレーションや検査車両、監視艇「つばさ」の公開といった現在の税関の仕事を学ぶことができるイベントなどをはじめ、旧新潟税関庁舎内でのカフェや敷地スタンプラリーといった当館ボランティアによる旧新潟税関庁舎を活用したイベントも行いました。
特に、麻薬探知犬のデモンストレーションでは、いくつかの箱の中から麻薬の匂いのついた箱を当てる麻薬探知犬の姿に多くの歓声が起こっていました。また、旧新潟税関庁舎内のカフェでは、お菓子屋さんに旧新潟税関庁舎をイメージした和菓子を特別につくってもらい販売しました。「レトロな雰囲気の中で、お茶ができるのが良い」「お菓子がかわいい」などと大好評でした。
天気も良く、桜も満開ということもあり、多くの方に春のみなとぴあを楽しんでいただけたのではないかと思います。
おじいちゃん、おばあちゃんがこどもだったころに楽しんだ科学あそび、日光写真を楽しみました。
かつてはなんかや(駄菓子屋)さんで売られていたり、こどもの科学雑誌の付録だったりして親しまれた遊びです。たいけんのひろばのキャラクター”ちゃまめちゃん”が
プリントされたフィルムと薬剤が塗布してある紙を使って、その原理を体感しました。
外に出て、お日さまの光を浴びるとみるみるうちに藍色に変色する様子にこどもばかりでなく、つきそいの大人からも声が上がります。
原理がわかったところで、透明のフィルムにマジックペンでオリジナルの種紙をつくり、自分の絵を焼き付けます。
お父さん・お母さんの世代で体験したことのある人は少なく、こどももおとなも楽しい科学あそびのひとときでした。
【新潟の上知と開港コーナー】
・行田魁庵「白梅図」
・川村修就「日新録書抜 二」
・行田魁庵「行田織部像」
行田魁庵(なめた・かいあん1812〜74)は新潟の画家で、古町神明宮の神官も務めた人物。京都で修業し嘉永4(1851)年に帰郷しました。
帰郷の翌年、当時新潟奉行を務めていた川村修就は、魁庵に自らの肖像画を描かせています。その年、修就は堺奉行に任じられ新潟を離れました。ほぼ入れ違いとなった二人ですが、わずかな交際の足跡を示す資料を今回ご紹介しています。
作者不明の修就肖像画は魁庵が描いたものなのか?川村家に伝わった「白梅図」が傷んでいる理由とは?ぜひ実物を見ながら、幕末の新潟町における画家と為政者の邂逅に思いをめぐらせてみてください。
※展示期間は6月下旬までを予定しています※
昨日、新潟市に寄贈された「新潟奉行所復元模型」をエントランスホールで展示しています。
これは、新潟奉行所を復元し、観光拠点として活用する可能性について研究している株式会社キタックが、
研究成果のひとつとして、また奉行所復元を実現したいという思いから製作した復元模型で、この度新潟市に寄贈されました。
新潟奉行所は現在の西堀通6・7番町(三越新潟店とNEXT21にまたがるエリア)にありました。長岡藩の新潟町奉行所を
初代新潟奉行川村修就が弘化2(1845)年に大幅に改築し、整備したものです。
この復元模型は「新潟町奉行図」(川村修就文書)を基礎資料に、150分の1のスケールで作成されました。
本日より開館15周年記念で常設展示室を無料公開しています(〜3/31)。この機会に、常設展示室の初代新潟奉行川村修就の
関連展示とあわせてお楽しみいただけると良いなと思います。皆さまのご来館をお待ちしています。
今年度最後のこども歴史クラブは、これまでの活動の場であったみなとぴあについてより詳しく知ってもらうため、
敷地内の建物をクイズラリー方式で巡りました。全部で12問のクイズは、付き添いのお父さん、
お母さんの頭も悩ませる難問ぞろいでしたが、部員たちは敷地内を縦横無尽に駆け巡り、敷地じゅうに散らばったクイズの設置場所を
探し、相談しながらクイズに答えていました。
答え合わせのために敷地の建物を再度巡検したあとには、10人のみなとぴあ博士が誕生しました。
普段は入ることのできない、収蔵庫や展示準備室など博物館の裏側をご案内するバックヤードツアーを開催しました。
ライブラリーの書庫に始まり、ケースなどをしまっている展示準備室や、資料を搬出入するための場所、そして収蔵庫などをご案内しました。また、今週末は天候に恵まれたので、収蔵施設として利用している敷地の石庫もご覧いただきました。
とくに収蔵庫は、その資料の量や種類の多様さに、驚きのほか「むかし家にあった」とか「使ったことがある」など会話が弾んでいらっしゃいました。資料が展示される前のさまざまな作業や、展示品が博物館資料のごく一部であることも実感していただけたようです。少しでも多くの資料を公開する機会として、毎年度末に開催している恒例の収蔵品展。ぜひあわせてご観覧いただきたいと思います。
バックヤードツアーも毎年度末に行っています。来年また参加したいとおっしゃってくださるお客様もいて、嬉しい限りでした。ぜひご参加お待ちしております!
この日は、この時期の定番プログラム、押し絵のおひなさまづくりを行いました。たいけんのひろばボランティアスタッフ考案の
このプログラムは、身近なものを使って簡単にできることや、季節を感じられるようにと企画されました。
ワタと型紙を布でくるみ、パーツを組み合わせて作ったお人形は壁飾りにぴったりです。親子連れでにぎわったおひなさまづくり、おだいりさまの衣装の色や柄をどうするか、おとなもこどもも同じぐらい悩んで、思い思いのモノを仕上げました。
冬の新潟の空は鉛色の雲が低く垂れこめています。窓から差し込む日差しが恋しくなるこの時期、冬が長い北欧で楽しまれてきたとされる、光が透ける窓飾りを作りました。
この窓飾りづくりは、トランスパレントシートと呼ばれる透ける折り紙を使い、同じ形を8枚組み合わせて作ります。
組み合わせると雪の結晶や花のような形になり、折り紙が重なる部分が色の濃淡になり、光を通すと鮮やかな立体感が生まれます。
この日は3種類の折り方を紹介しましたが、複雑な形にチャレンジする人、同じ形の飾りを色を変えて作る人、色を2色使って、
色の組み合わせと光の透け方を楽しむ人など、それぞれに素敵な窓飾りを作りました。
プログラムの最中は雪が舞っていることもありましたが、作り終わる頃には、窓からやわらかな冬の日差しが差し込み、
窓に貼った窓飾りはさながらステンドグラスのようでした。
古代からアクセサリーとして作られていたことがわかっているとんぼ玉(ガラスビーズ)。ガスバーナーという現代の便利な道具を使って、模様をつけないシンプルなものではありますが、自分で手作りしてみるという体験を行いました。
強い火力でドロリと溶けたガラスを丁寧に棒に巻き付けることで、紐を通す穴の開いたとんぼ玉ができあがります。きれいな丸い形にしたくて、うまく火加減しながら職人のように整形の微調整を行う少年もいました。なんてことはないガラスビーズですが、熱とたたかい整形に苦労しながら作ると、たった一粒だけでも特別なアクセサリーになります。
当館ボランティアのサービスでとんぼ玉用の紐を編むオプションもあり、まさに自分だけのオリジナルアクセサリーが完成していました。手づくりすると自然とお守りにもなりそうですね。
常設展示室の資料を入れ替えました。
【新潟の上知と開港コーナー】
・芳明筆「新潟町図屏風」
江戸時代の新潟町を描いた屏風です。長岡藩領時代の宝暦8(1758)〜弘化2(1845)ごろの景観を描いたものではないかと考えられています。
日和山や白山神社、寺町といった現在も存在する場所や、新潟町会所、洲崎番所など失われてしまった場所など色々見どころがあります。
是非ご覧ください。なお、本屏風については、当館の紀要に詳細な解説がありますので、こちらもご参照ください(中村里那「芳明筆「新潟町之図屏風」に描かれた景観」『新潟市歴史博物館研究紀要』12号、2016年)。
※展示期間は3月下旬までを予定しています※
金属を溶かして作る古代の鏡。その作り方をチョコで体験しました。
鏡の型は4種類。全国的に有名な三角縁神獣鏡や、新潟市西蒲区角田山のふもとの菖蒲塚古墳から出土した「だ龍鏡」などです。直径5pほどの、本物よりだいぶ小さな鏡形ですが、模様がとても細かくできています(新潟市文化財センターの「銅鏡づくり」で製作したレプリカを使用しています!)。
型から外した際、あらわれる模様にはなかなか感動します。また、食品用シリコンでできた型はやわらかいので、押し出すと簡単に、ポコンとチョコが外れます。それ自体も愉快なようで、その時間はあちこちから歓声があがっていました。楽しくおいしい体験プログラムを喜んでいただけたようです。
新潟開港150周年を記念してつくられたさまざまな限定商品。旧新潟税関庁舎の再公開を機に、これらを取り揃えてみなとぴあで販売しています。
お菓子や文具など、新潟や港をモチーフにしたアイディア商品は見ているだけでも楽しいです。ぜひ旧新潟税関庁舎をご覧の際には、みなとぴあ本館エントランスホールの販売ブースにもお立ち寄りください。商品はなくなり次第販売終了です。
【雪国あられ】新潟湊あられ
【きくや】新潟ショコラ[いちご]・新潟クッキー・ルレクチェどらやき
【鈴木コーヒー】コーヒードリップバッグ[新潟開港150周年記念ブレンド]
【山吹園】カップ用ティーバッグ[minato1869 柳都の煎茶/ほうじ茶/和紅茶]
【にいがたもよう研究所】メモパッド[ふね/灯台]
【佐渡ファンクラブ】マスキングテープ[新潟開港150周年カラー]
【日本郵便】オリジナルフレーム切手・はがき[daytime/night]
旧新潟税関庁舎のリニューアルオープンを記念して、税関をモチーフにしたプログラムを実施しました。
砂絵は普段のプログラムでは、ちゃまめちゃんや関屋カボチャさんなどのイラストを砂絵にすることが多いのですが、この日は税関庁舎を
モチーフにしました。多くの人が赤と白を建物の色に選ぶなか、青い税関の砂絵を作ってくれた人もいました。個性的なステキな建物に
なりました。背景に太陽を描いたり、額縁風に縁取りをつけたりと、さまざまな工夫が見られました。
税関ペーパークラフトは、税関庁舎の形が飛び出るカードのようになっていて、税関庁舎に彩色し、背景は自分の好きなように描き入れることができます。春の税関と満開の桜を再現しようと、桜を描き、飛び出るようにしてみたり、荷揚げ場に船を浮かべてみたり、
猫が寝そべってのんびりとした様子を描いたり、と税関のさまざまな風景が描かれました。
沢山の方に参加してもらい、リニューアルのお祝いにふさわしいにぎやかな雰囲気となりました。
新年はじめのたいけんプログラムでは、お正月ならではの遊びを体験しました。
お正月あそびといえば、凧揚げ、福笑い、羽子板、コマ回しなど。特別にこたつも登場し、お正月のあそびを自由に楽しんでいただきました。とくに福笑いはだれでも気軽に参加できるためか、たくさんの方が遊んでいきます。親子で、友達同士で、時折ツボにハマったらしい大笑いが聞こえてにぎやかでした。
今年は少し本格的な凧作りも行いました。風をしっかり受けて揚がりやすいよう丈夫な和紙を使い、今年の干支のイノシシを色付けして凧の絵柄にします。奇抜なイノシシも登場し、それぞれ自分だけのオリジナル凧が完成していました。天気に恵まれず実際には遊べませんでしたが、お家で飾るのにも良さそうです。
あす6日(日)も開催です!こたつと福笑いなどの正月遊びはいつでも遊べるようにしてあります。7日「松の内」までのお正月、遊び倒しましょう!
常設展示室の資料を年末に少し入れ替えました。
【砂丘に刻まれた営みコーナー】
・六地山遺跡(弥生時代。新潟市西区出土品。長岡市立科学博物館所蔵)
【新潟の上知と開港コーナー】
・元和4(1618)年8月24日牧野忠成判物
六地山遺跡出土品は、東北系と北陸系の弥生土器がみられ、各地との交流を伺うことができます。
牧野忠成判物は、長岡藩主牧野家初代の忠成が、有力町人に藩の仕事をさせる代わりに特権を与えた判物(権利を与える証文)です。忠成が長岡藩主になった直後の手紙という点で貴重です。
是非ご覧ください。
12月の博物館講座は「中ノ口川の直江兼続伝承を探る」でした。
燕市で信濃川から分かれ、新潟市西区で再び合流する中ノ口川には、直江兼続により川が掘削されたという「直江工事」の伝承があります。当時の記録がないため、あくまで伝承として語られることが多く、また本によって「直江工事」の工事の記述内容(特に目的や区間など)もまちまちです。
意外にも、この「伝承」がどこで伝わったものなのか、いつごろから確認され、元々どのような内容だったのか、今まで詳しく調べられてきませんでした。例えば、江戸時代の代表的な地誌である『越後野志』などにも記載が見られない、謎の多い伝承でもあるのです。
そこで、確認できる限り資料を探ってみました。この伝承に関係すると思われる記述は、江戸時代後半、天保年間の大河津分水建設に関する2点の願書にすでにみられます。天正年間に今より西(西川、あるいは、中ノ口川の流路)を流れていた信濃川へ手を加えたため、本流が東(現在の河道)に移ったという記述です。ただ、直江兼続が関わったという記述は見られないなど、今日知られる内容とは異なっています。
中ノ口川と直江兼続の関係が明確に記述されるのは、明治44年の『小吉村誌統計類纂』という資料です。天正年間に直江兼続が上杉家の奉行として中ノ口川を掘削したこと、同川が「直江川」と呼ばれたことが書かれています。さらに、戦前までに天正10年から慶長2年と工事期間を記す本も登場し、私たちの知る「直江工事」の情報が出そろったようです。
なお、伝承の出元ははっきりわかりませんでしたが、白根・三条・燕に関係する資料に記述がみられるので、このあたりと推定されます。
冒頭にも書いた通り、「直江工事」を裏付ける同時代の記録は見つかっていません。ただ、江戸時代後期に関係するような記述がみられる、歴史的背景のある「伝承」であることは重要です。
江戸時代以降の郷土史研究の視点からも、この伝承を調べていくべきではないでしょうか。
この日は、機織り機を使った裂き織りたいけんを行いました。好きな裂き布を選び、緯糸として織っていきます。
同じ柄の裂き布を選んでも、他にあわせる裂き布が違っていたり、筬(おさ)を打つ力加減の違いで、作品の雰囲気は変わります。
裂き布選び、デザイン決定から実際の織りまですべてオリジナルの裂き織りコースターが完成しました。
年末年始の帰省時におじいちゃんおばあちゃんに見せてあげたい、新年から使いたい、などの声が聞かれました。
お正月の準備の一つとして、ミニ門松づくりを行いました。
年神様をお迎えする意味があるお正月。門松は、年神様がやってきたときの目印です。今では習慣化している、一方でだいぶ変化したお正月の過ごし方についてお話してから、本物の松や竹を使った門松づくりを行いました。
今年も、門松の材料は西蒲区の岩室民俗史料館さんにご用意いただきました。手間のかかる竹の伐採や菰(こも)巻きまで、至れり尽くせりでご用意いただいたので、今回は松葉を詰めていくだけの非常に簡単な作業でした。とはいえナマの松葉はチクチクして松脂はベトベト、たまに毛虫が出てきてなかなかのスリルがあったようです。
「正月飾りは買ってくるもの」ではなく、「松や竹など植物を使って手作りしていたもの」と感覚的に覚えてもらえたなら大満足です。自分の手で整えた門松で、どうぞみなさまよいお年をお迎えくださいますように。
新潟民謡節美会会長の櫛野節謡氏をお招きし、新潟甚句の成り立ちや特徴について、唄や演奏を交えながらお聞きしました。
みなとぴあが所蔵する江戸末期の絵巻物「あまのてぶり」にも、新潟の代表的な風物として描かれた盆踊り。その頃は踊りの型もなく、思い思いに身体を動かし熱狂したようです。それが、昭和初期に、皇族の方へのお披露目に際し、鈴木節美氏によって現在のかたちが作られたとのこと。古い唄も披露していただき、変化する民謡を実感しました。
お話しで聴きどころを知り、そして目の前で聴く唄と演奏はやはり感動の質が違います。また、新潟盆踊りの特徴である樽打ちを実際に体験させていただきましたが、ゆっくりしたリズムさえ思うように体が動かず、一定のリズムを滞ることなく繰り返すプロの技に改めて感心しました。
「頭で考えないこと。耳で、体で感じて歌う/演奏する/踊る。まずは体感すること。」という民謡の極意の一端を体験した、とても贅沢な時間となりました。
今夏開催した「にいがた船と港の150年」の補遺として、明治期の新潟の対外貿易、特にウラジオストクとの関係について、明治40年に派遣された“新潟県浦潮斯徳樺太実業視察団”の視察の様子や、派遣された背景などについて先行研究の成果とあわせてお話ししました。
ウラジオストクの自由港制度の廃止などにより、その後のウラジオストクとの関係は願ったようには結実しませんでしたが、この視察団の派遣は開港後の新潟の150年を語るうえで、大きな出来事の一つであったと言えるでしょう。今回は特にウラジオストクに焦点をあててお話ししましたが、樺太との関係や、伏木港、敦賀港などの港の状況と新潟港の状況との比較などを今後の課題としたいと思っています。
この秋、みなとぴあでは「玉と鏡の世界−西安・新潟友好交流特別展」を開催しました。その関連企画として、11月14日(水)〜15日(土)までの期間、「西安博物院と秦・漢・唐の王都を訪ねる4日間」のツアーを実施しました。参加者は10名です。 特別展開催に合わせ、みなとぴあと西安博物院は、あらたに友好提携をし直しました。今回のツアーが友好提携後初の西安訪問です。ツアーには伊東館長が同行し、特別展開催のお礼を兼ねて博物院を訪問しました。西安博物院では余紅健院長をはじめ、範建国・王梅・王鋒鈞副院長が、私たちを出迎えてくれました。日本語ガイドによる展示見学のほか、手袋をはめ貴重な文物を手に取って観察する特別見学もさせていただきました。特別見学では王鋒鈞副院長自らが文物の説明をしてくださいました。こうした博物院の皆さまのご厚意に触れ、感謝の念に堪えませんでした。
そしてツアーのもう一つの目的である"王都を訪ねる"では、秦咸陽城の宮殿遺跡、漢長安城の未央宮遺跡、唐長安城の大明宮遺跡を見学しました。秦咸陽城跡は未整備で周囲は畑地になっています。秦始皇帝が生まれ、中国統一を果たした都の面影はなく、2200年もの月日の経過を思いながら、感慨深い気分になりました。 みなとぴあ企画の西安ツアーは今回で4回目です。何度行っても満足の旅になります。皆さまもどうぞお出かけください。西安へは新潟空港から上海経由の便が便利です。
パチンコやコリントゲーム、スマートゲームなどとも称されるゲームを作るプログラムを行いました。このプログラムの
狙いは、ふだん使う機会のない、のこぎりやかなづちなどを使ってみるところにありました。
やはり、参加したこどもたちは、のこぎりに触るのは初めて、とのこと、怪我のないよう、安全面に注意して道具を使いました。
30p×45pの板の四方に枠を取り付けるために、棒をのこぎりで切り、それを釘で打ち付けます。何度か使ううちに道具の扱い方にも慣れて、釘も真っすぐに打てるようになりました。
枠ができたら、発射装置を作り、ゲームがより面白くなるようにそれぞれが考えながら釘を打ちます。ゴムを取り付けたり、余った棒を付けたり、と銘々の工夫溢れるピンボールゲームが作られました。中には、もっともっと面白くしたい、と余った材料を家に持ち帰った人もいました。家でも楽しく遊んでもらえるといいなと思います。
特別展「玉と鏡の世界」最終日は、関連イベントとして「勾玉づくり」を開催。西区木場にある新潟市文化財センター(まいぶんポート)から先生をお招きして実施しました。
新潟でも出土している「勾玉(まがたま)」は古代のアクセサリーです。おおまかに形を切り出したやや軟らかい石を、サンドペーパーで地道に磨いていきます。手作業の研磨は気の遠くなる作業で、古代の人々の労力の一端を実感できます。しかし、そうやって自分の手で作り上げたアクセサリーは格別です。今回は油性ペンで色付けし、オリジナルの石の色合いを作り上げました。特別展に展示されている1000〜2000年以上前の玉製品を見るとわかるように、天然石は自然な色合いが絶妙な模様となっていてとても美しいです。
中国の西安博物院から貴重な玉と鏡をお借りしご紹介した今回の特別展、子供から大人まで楽しみながら最終日を迎えることができました。
毎年開催しているみなとぴあファンクラブ会員向けのまち歩きイベントですが、今年は開港150周年に関連して、新潟港埠頭巡りを開催しました。今回は、新潟漁業協同組合と新潟県新潟港湾事務所にご協力いただき、普段は公開されていない新潟西港の埠頭もめぐりました。
まずはじめに新潟漁協の水揚げ場を見せていただき、現在の漁船や漁の種類、とれる魚などについてお話していただいたあと、中央卸売市場があった頃や、公共臨港線があったころの様子などを写真で紹介しました。古信濃川の出口も確認したあとで県営埠頭方面へ向かいました。
県営埠頭では中央埠頭の線路跡や中央埠頭の様子を見た後、国際旅客ターミナルを見学させていただきました。ターミナルの屋上からは、新潟西港が見渡せ、沖では翌日に山ノ下埠頭に入港予定の帆船日本丸が碇泊しており、150年前の新潟の港の様子を彷彿とさせる風景に出会えました。
中央埠頭から東埠頭を経由して、明治29年に信濃川流末工事で付け替えられた通船川の出口へと向かいました。山の下閘門排水機場や沼垂駅を眺めながら、埠頭巡りのまち歩きは終了となりました。
参加者の中には、それぞれの場所での思い出を話してくれる人もおり、昭和20年代から30年代の港の様子も共有されました。
みなとぴあの敷地にはマテバシイの木があります。この日のこども歴史クラブはマテバシイのどんぐりを使って、縄文人の道具を使ってみました。
マテバシイの木の周りにはたくさんのドングリが落ちています。ひとり10個取ってきてね、との声掛けもむなしく、部員たちは一心不乱にどんぐりを拾い、持って来た袋一杯に詰める部員が続出しました。余った分は家に持ち帰ってもらうことにして、拾ったドングリを食べられるようにします。
マテバシイはアクが少ないので、殻を割ればすぐに食べることもできます。こどもたちは石皿を磨石をつかって、どんぐりの殻を割り、実をとりだし、すりつぶして、ドングリ粉を作ります。
このドングリ粉に砂糖、小麦粉、バター、牛乳を混ぜてあわせて、現代人の私たちの味覚に合う、おいしいクッキーを作りました。ホットプレートで焼いたクッキーを試食すると、木の実の素朴な味がするものになっていました。付き添いのお母さん方にも好評のクッキーは、あっという間になくなりました。
特別展「玉と鏡の世界」に関連して、古代鏡をチョコでつくる体験イベントを行いました。これは、金属を溶かして鋳物をつくる鋳造技術の体験です。有名な「三角縁神獣鏡」や、新潟市内で出土した「だ龍鏡」など4種類のミニ鏡型のチョコをつくりました。
冷え固まったチョコを、型から取り出すと、細かな模様が出てきて歓声があがっていました。最後は、抹茶パウダーで銅製の鏡特有の緑青のサビを再現し、完成です。
古代の鏡のふしぎな世界、楽しくおいしい思い出といっしょに記憶に残っていただければ嬉しいです。
常設展示室の展示替えをしました。今回は川村家文書にみえる長岡藩関係の資料が中心です。資料保護のため、年末ごろに展示替えを予定しています。
【展示資料】
(新潟奉行川村修就コーナー)
・(参考)午(寛永7年)3月23日牧野忠成書状(新潟町会所文書、展示期間11月11日(日)まで)
・(参考)年未詳正月11日牧野忠成書状(新潟町会所文書、展示期間11月13日(火)から)
・北越秘説
・護身用鎖
・六十四間筋胃の銘 長岡家老山本帯刀左衛門所蔵(天文三年三月吉日明珍信家(花押))
・新潟私領中町奉行屋敷弐軒并作事小屋等之図(新潟町奉行所絵図)
・町奉行屋敷之図
(明治初期コーナー)
・イザベラバード著『Unbeaten tracks in Japan』
この日はみなとぴあたいけんプログラムの中でも長年の人気を誇る、布を作ってみようを行いました。 お菓子箱で機織り機の原理を再現した織り機を使ってつくる裂き織りのコースターです。機織り機の綜絖(そうこう)と 呼ばれる部分を取り付けるのに少々頭を使いますが、ここができればあとは、好みの裂き布を選んで、織っていきます。 裂き布は元の布の色合いや模様によってさまざまな表情を見せてくれる布へと姿を変えていきます。 同じ裂き布を使っても、力の入れ具合で雰囲気が変わるのもまた面白く、参加者同士で作品の途中経過を 見せあっている様子が見受けられました。
夜間特別開館《お月見ナイトミュージアム》はおかげさまで盛況でした!
中国楽器「二胡」の音色はすばらしかったです。ご出演いただいた「琴人」さま、誠にありがとうございました。月見酒のほか本格的な中国茶もお楽しみいただきました。
日本では月でウサギがモチをついていますが、中国ではウサギは仙薬=不老不死の薬をついています。そんなデザインの鏡も展示されている特別展、月見の夜に楽しくご観覧いただけたようです。
中国・西安博物院から貴重な文物をお借りして展示する「玉と鏡の世界―西安・新潟友好交流特別展」が開幕しました。
古代中国の歴代王朝が都をおいた西安。そこには貴重な歴史的文物が数多く残っています。なかでも、玉と鏡は神秘的な力をもつと考えられ、古来より特別に尊ばれてきた宝です。期間限定でパワースポットとなるみなとぴあへ、どうぞお越しください!
今夏行われた「海フェスタにいがた」にあわせて開催したみなとぴあ歴史発見プロジェクト企画展「にいがた船と港の150年」が終了しました。家族連れと見受けられる3〜4人連れのグループが多く、さまざまな船舶の写真パネルの前で会話が弾んでいる様子が見られました。会期が少し短い企画展ではありましたが、新潟西港周辺で開催されたいろいろなイベントの相乗効果もあってか多くの方にお越しいただきました。ありがとうございました。
夏休みたいけんプログラム「幻灯機でアート!」を開催しました。
100年ほど前に「幻灯機」で使われた手描きのガラススライドをみて、現代版の幻灯に挑戦しました。
「夏休みの思い出」をテーマにして、フィルムシートに油性ペンで思い思いの絵をかきました。形や色が紙しばいのようにかえて、あっと驚くストーリーを工夫する人もいました。
100年前の人たちの生活を想像しながら、夏休み最後の思い出をつくりました。
8月23日(木)も、同じ内容で行います。やってみたい小学生集まれ!
新潟まつりの2日目は、住吉行列が行われます。住吉行列は万代島の岸壁から船で左岸に渡ります。みなとぴあ前のみなとさがんはこの水上渡御の恰好の見学ポイントです。日本学を専攻し、みなとぴあでインターンシップに参加しているドイツ人留学生の2人は、水上渡御の様子を取材し、次のように語りました。
「みなとぴあ前のみなとさがんには大勢の見物客が集まりにぎやかでした。漁船にはきれいな大漁旗が掲げられ、船上から見物人に手を振っていました。特に際立っていたのは、先頭の御座船で、龍の形で、神官も神輿も乗っていて、本当に水上の神社のようでした。また、消防艇が放水し、華やかさを一層盛り上げました。神輿が上陸する時は、見物人も盛り上がっていました。神輿の上陸は大変そうでしたが、再び無事に御座船に乗せられました。
ドイツからの留学生として、こういう行事を体験するチャンスは普段なかなかないので、貴重な経験でした。とても面白かったです。盛大な船の行列の様子は忘れられないでしょう。」
取材を通して、勇壮な水上渡御の様子に魅せられたようでした。
たいけんプログラム「ポンポン船をつくろう」を開催しました。ポンポン船はパイプに入った水が熱せられて噴出して進みます。簡単な構造で面白い動きを見せてくれる船です。
今回は博物館実習に参加した実習生にも授業の一環として参加してもらいました。特に2日目は実習生の仕切りで開催してもらいました。子どもたちへの作り方指導のほか、お客さんの呼び込みなどもしました。船も無事動いてくれて一安心。実習生は子どもたちとの交流を楽しんでいる様子でした。
開催中の企画展「にいがた船と港の150年」の関連企画として、新潟漁協魚市場見学会を開催しました。
はじめに岸壁に戻って来た漁船について、網などの装備を説明してもらいながら見学しました。それから、冷蔵施設や仕分け作業を見せてもらいました。冷蔵施設には、出荷準備が終わり、翌朝せりにかけられる魚が発泡スチロールの箱に入れて並べてありました。アマダイなど、新潟の夏の旬の魚が詰まっていました。
魚の仕分け作業を行っていたのは定置網漁の漁師さんたちで、多くの魚を種類や大きさごとに手際よくならべて仕分けして出荷準備をしていました。また、魚を新鮮な状態に保つために欠かせない氷についても、使われている氷の見本を見ながらお話しを伺いました。漁協の製氷工場では一本140sほどもある氷の塊(氷柱)を作っています。氷は漁や出荷の時に使われます。氷柱の作り方には多くの参加者が興味を持ったようでした。
その後、底引き網漁の網仕事をしている様子を見せていただきました。底引き網漁は7月8月の2か月間は禁漁期なので、その間に傷んだ網を補修して漁が再開する9月に備えます。太くて丈夫そうに見えるロープも、海底をひきずり岩などと擦れると傷んでくるので補修するのだそうです。この時期にしか見られない漁のためのさまざまな準備の一つも知ることができました。
最後にまとめとして、朝4時から始まるせりの様子や、今日、仕分け作業を見学した定置網漁船の漁の様子などを動画や画像で紹介してもらい、見学会は終了となりました。夏休みということもあり親子連れの参加が多い見学会となりました。魚が食卓にあがるまでにはさまざまな人の努力や工夫があることを知る機会となりました。
企画展「にいがた船と港の150年」・関連展示「港を守る海図と灯台」の関連イベントとして、第九管区海上保安本部の協力で、巡視船えちごのペーパークラフトづくりを行いました。
大人が真剣に取り組んで1時間程度かかる、というこのペーパークラフトづくり、親子連れから船ファンの大人の方まで幅広い年代の参加がありました。
はじめに、巡視船えちごの業務内容や装備について簡単に説明を受けて、ペーパークラフトづくりに取り組みました。細かなパーツがいくつもあり、切り取ったり組み立てたりに悪戦苦闘する人もいましたが、親子で役割分担をしたり、サポートするスタッフのアドバイスを受けながら、各自が真剣にペーパークラフトづくりに取り組みました。作りながら、巡視船えちごの構造や、業務の話などの疑問点を第九管区海上保安本部の保安官の皆さんに質問でき、良い機会となりました。
できあがったペーパークラフトは海をイメージした青いパネルに設置し、スペックや船号を貼り付け完成しました。参加者の皆さんはできあがったえちごを前に達成感に浸っていました。夏休みの自由研究にしたい、という小学生や、思っていた以上に良い出来だったので家で飾りたい、という感想もあり、楽しいたいけんプログラムとなりました。
今回のこども歴史クラブでは水墨画に挑戦しました。水墨画はどのような特徴をもっているのか、実際に体験しました。
墨を硯ですって墨の色の濃淡を体感し、筆を使って様々な表現方法に挑戦しました。それぞれが思い思いに描き、最後に「みなとぴあ」の落款印を押してオリジナリティ溢れる作品を完成させました。
黒1色でも、自分なりの描き方を探し、創意工夫することで水墨画の楽しさを感じてもらえたらうれしいです。
新潟市・聖籠町・佐渡市で本日より開幕した『海フェスタにいがた』にあわせて、みなとぴあ歴史発見プロジェクト企画展「にいがた船と港の150年」が開幕しました。
本展はまもなく開港150年をむかえる新潟港の150年間の歩みを、入港船舶と港の施設の移りかわりから見る展覧会です。新潟港入港外国船第一号のイギリス船ステギ号の積荷が記録されている『入港外国船品其他調』(東京税関所蔵)や開港当時の西洋型船舶の入港記録である『西洋形船舶留記』(新潟市蔵)などを展示しています。
また、新潟港の今を紹介するコーナーでは、新潟港のフェリー航路やクルーズ客船の接岸の様子を動画で紹介しています。
同時開催として、本館1階ロビーでは、第九管区海上保安本部主催の「みなとを支える海図と灯台」パネル展示を開催しています。
土日祝日には、本物の海図をつかったリサイクル海図しおりをつくるプログラムも実施します。
会期は8月19日(日)までです。たくさんの方のご来館をお待ちしています。
古町で開催されている「鯛車サミット」にあわせて、みなとぴあ所蔵の鯛車を一階に展示しています。
昭和18年作(白根地区)の古いものもあります。7月16日(月、祝)まで展示しています。
常設展示室の展示替えをしました。今回は洲崎番所(新潟御備場、台場)関係の資料が中心です。資料保護のため、秋ごろに展示替えを予定しています。
【展示資料】
(新潟奉行川村修就コーナー)
・新潟御備場出来形絵図
・(参考)堺湊口御台場略絵図
・三百目玉大筒模型
・三貫目大筒雛形
・拾匁玉筒稽古百打中り付
・大砲台説明書
(明治初期コーナー)
・乍恐以書付奉願候(慶応4年9月、下木戸村弥五右衛門の献金について)
6月3日(日)で、キラリ★新潟〈美〉の刀剣展が閉幕しました。ここ数年の企画展に比べると大変多い観覧者数を記録しました。とりわけ若い方が多い印象で、刀剣の人気を実感しました。兼定、日本号写、天田昭次氏作の刀剣などをはじめ、県内の刀工の作品なども改めて注目されたのではないかと思います。お越しいただいた皆様ありがとうございました。
今回の企画展は、日本美術刀剣保存協会新潟支部の皆さんのご協力がなければできなかったものでした。これほど多くの方に見ていただいたのは、刀剣自体の魅力ももちろんですが、新潟支部の皆さんと展示や図録作成、運営など綿密な協議を行い、「刀剣の美」をなるべく多くの方に伝えられる企画展になるよう努めてきた結果だと思います。
新潟支部の皆さんにも感謝申し上げます。
この日のたいけんプログラムはとんぼ玉づくりを行いました。ガスバーナーを使って、好きな色のガラス棒を溶かし、ガラスビーズを作ります。形作ったとんぼ玉が冷めるまでの間、紐でアクセサリーを作りました。出来上がったとんぼ玉を通して、ステキなとんぼ玉アクセサリーが完成しました。こどもだけでなく、おとなにも人気のプログラムでした。
みなとぴあミュージアムシアター新作アニメーション「時をこえて!新潟開港 古町と団五郎みなとぴあ編」公開イベントの一環として、トークライブを開催しました。
第一部では「クリエイティブと歴史―アニメの時代考証」と題し、担当学芸員がアニメ制作における時代背景や歴史的景観について講演を行いました。アニメ制作の際に、当時の絵や写真、文書、またアニメの登場人物の一人であるイザベラ・バードの旅行記などを調査し、参考にしたという舞台裏話が盛りだくさんの内容でした。
第二部ではトークセッション「バードと旅する明治・新潟」と題し、ゲストスピーカーに野内隆裕さん(日和山五合目館長・路地連新潟代表)をお迎えし、イザベラ・バードと新潟の街歩きの関連についてお話を頂戴しました。新潟の街をイザベラ・バードの目線で歩く面白さや、それにまつわる苦労話など多岐にわたってご紹介いただきました。
新作アニメーションはミュージアムシアターで公開中ですので、ぜひ一度足をお運びいただけたら幸いです。
「砂の町」としても取り上げられた新潟。今日は砂で絵をつくる体験を行いました。
新潟の土地は、川と一緒に流れてくる砂によって、またその砂が海の波で寄せられることで形成されました。現在でも、とくにみなとぴあ周辺のように河口の地域では、地面のあちこちに砂が顔を出しています。
まずは新潟の小針浜の砂と阿賀野川河口の砂を、拡大鏡でじっくりとのぞき込んでみます。小さな粒も、大きさが違ったり、黒色や透明なものなどがまじっています。さまざまな種類の岩石などが水に削られ長い時間をかけてこんな小さな粒となり、新潟にたどりついたのです。普段まじまじと見ることもない砂。少し新鮮な気持ちで眺めてもらえたようでした。
あとはお楽しみの砂絵づくりです。イラストに沿って切り込みが入れてある、ハガキサイズののり付きプレートを、絵のパーツごとに上紙をはがし、お好きな色の砂をかけていきます。同じ絵でも配色が違えば千差万別。とはいえご家族で作られた砂絵はどこか統一感があり、記念撮影するとなにやらアイドルグループのような印象もあって見ていて楽しくなりました。
ゴールデンウィークの最終日、ボランティアフェスティバルを開催しました。なんとかお天気にも恵まれ、外でのプログラム、ガイドツアーのほか、新潟港湾・整備事務所様にご協力いただいた「業務艇あさひで港めぐり」も、波が大きく荒れることなく無事に実施することができました。
連休中であったことや、近くの早川堀通りで開催していた「つつじ祭り」、市の歴史文化課による旧新潟税関庁舎の工事現場公開、当館企画展「キラリ★新潟〈美〉の刀剣展」の講演会などもあり、この日のみなとぴあ含めた下町は大いににぎわいました。
本館内では、2階でボランティアが昔の衣装を着て臨場感たっぷりに歴史をガイドするクイズラリー、1階では旧税関のペーパークラフト、凧、江戸紋切をもとにしたタンポポ、障子風フレーム作り、実際にかぶることができるカブト作りなど、盛りだくさんでした。
とくにカブト作りプログラムであわせて行った着用体験用のよろいは、ボランティアが1年かけて試行錯誤しながら作り上げたものです。甲冑の部分を結ぶ「おどし」がどうなっているのか、手づくりながらどうしたら本物のような質感が出るのか、毎月有志が集まってこのプログラムのために準備してきました。当日はお子さんはもちろん、お父さんたちも着ていっしょに記念撮影されていました。
ボランティアの日頃の活動の成果を活かして、たくさんのお客様に楽しんでいただくことができたようで、非常に充実した1日となりました。誠にありがとうございました。
「キラリ★新潟〈美〉の刀剣展」が好評開催中です。ゴールデンウィークの最後を飾るイベントとして、日本美術刀剣保存協会新潟支部の近藤昌敏支部長に講師をお願いし、「日本刀の魅力とその楽しみ方」と題して2回目の公開講座を行いました。近藤さんが刀剣に初めて魅せられた子供時代のエピソードを交え、鑑賞文化としての刀剣の面白さをご紹介いただきました。また講演の第二部として展示室に移動し、実際の展示品の前で詳しく解説していただきました。
端午の節句も近づいたこの日は、この時期恒例のこいのぼりづくりを行いました。よく回る風車と傘袋をつかったオリジナルの こいのぼりをつくります。こいのぼりのうろこなどは、それぞれ自由につくります。エラの部分を とても立派に作った人や、うろこがハートマークでかわいいものなど、それぞれに素敵なこいのぼりを つくりました。こいのぼりができたら、プロペラ3枚を組み合わせた良く回る風車を作ってとりつけて 出来上がりです。風車があまりに良く回るので、うれしくなってたいけんのひろば中をかけまわる ちいさなおともだちが続出、ほほえましいシーンがたくさん見られたプログラムでした。
ソメイヨシノは散ってしまいましたが、八重桜をはじめ、みなとぴあの敷地もそこかしこに
春のおとづれを感じることができます。この日は、新潟市ネイチャーゲームの会のみなさんとみなとぴあの
敷地で春を探しました。
自然を感じるビンゴでは、ビンゴカードにある9つの事柄を探しに、敷地の中を探検しました。シロツメクサの
葉の中から虫食い穴を探したり、黄色い花をさがしたりしながら、普段は見落としがちな小さな生き物の
生きている証を見て、触って、感じることができました。
最後は、タンポポやツバキの葉などをつかった草花あそびを楽しんで、小さな紙コップで野の花のブーケを
つくってお土産にしました。からだじゅうで春を感じることのできたプログラムでした。
春の企画展「キラリ★新潟〈美〉の刀剣展」の関連イベントとして、耳から学ぶ刀剣と題した公開講座を開催しました。1回目は、致道博物館(山形県鶴岡市)館長であり、また日本美術刀剣保存協会会長でいらっしゃる酒井忠久氏をお招きし、「世界に誇る日本刀文化」のお話を頂戴しました。致道博物館が所蔵する重要文化財「名物信濃藤四郎吉光」にまつわるエピソードなどをはじめ、刀剣の初心者にもわかりやすいお話を楽しませていただきました。
春の企画展「キラリ★新潟〈美〉の刀剣展」が開幕しました! この展覧会は、みなとぴあが日本美術刀剣保存協会新潟支部と共催する形で実現した展覧会です。新潟支部の会員愛蔵の刀剣38口(ふり)をはじめ、刀装具や拵(こしらえ)などが楽しめます。この展覧会のユニークなところは、協会支部の会員さんが解説員として常時会場で来場者をお待ちするという試みです。来場されたらぜひお気軽にお声がけください!
今年度もみなとぴあこども歴史クラブは毎月1回活動します。2018年度最初の活動は、染物でした。
絞り染めと板締め絞りを輪ゴムなどをつかって簡単に体験しました。
絞りの準備をした布を染液に漬け、水洗いした後、絞りをほどくと、さまざまな模様が浮かび上がりました。
事前にイメージしながら準備した人、いきあたりばったりで絞りを付けた人、さまざまでしたが、
完成した布を見て一様に歓声が上がっていました。
次回はミニチュア土偶づくりです。
布生産にまつわる手仕事を追体験するみなとぴあもめん部が今年も活動を始めました。今年度は
毎月1回の活動とし、急がず焦らず、布づくりの手仕事を体験していくこととしました。
今年度最初の仕事は、アイの種まきでした。ポットとプランターに種をまきました。
残りの時間で、昨年度から取り掛かっている、小さな織り器で手つむぎの糸を使った
織りの仕事を行いました。各自が真剣に取り組み丁寧な手仕事の様子が見られました。
当館ボランティアの企画で、スタンプラリーを開催しました。2代目市役所庁舎を模した本館、旧新潟税関庁舎、旧第四銀行住吉町支店をめぐり、ガイドを聞いてスタンプを集めていきます。旧税関庁舎は現在改修工事中のため、チェックポイントの明治時代の六灯ランプは、本館エントランスホールでご案内しました。そしてなんといっても本イベントでは、ボランティアが少しでも楽しくガイドを聞いてもらうための工夫として、商家のおかみさんや農家の仕事着、女学生や書生さんなど、むかしの衣装を着てガイドするのが見どころです。お客様にいっしょに記念撮影を頼まれていたボランティアもいました。
桜もなんとかもちこたえ、また企画展「キラリ★新潟〈美〉の刀剣展」開幕日でもあったためか、多くの方々に参加していただくことができました。お子さんたちはもちろん、大人の方々もこの気軽なガイドイベントを楽しんでくださったようです。