にいがたの民話

朝日長者と夕日長者

イラスト:野澤京子

五十嵐(いからし)二の町には朝日長者が、五十嵐三の町には夕日長者がすんでいました。

かれらはなぜそう呼ばれているのでしょうか?

五十嵐浜では朝は南風、夕方は北風がふきます。
その風向きが変わるときには
いったん風がやむのです。

五十嵐のムラ人たちはそのときをねらって、沖を通る船をおそい、積み荷をうばっていました。

朝日長者・夕日長者はその親方たちだったのです。

積み荷をうばわれた船の者たちは、その仕返しに
ムラをおそい、やきはらってしまいました。

そのため、ムラ人たちはいろんなところににげて、
一時、ムラには一軒も家がなかったということでした。