蒲原平野の20世紀−水と土の近代−

会期終了いたしました。多数のご来館、ありがとうございました。

栗ノ木排水機場/亀田郷土地改良区所蔵

【開催期間】2009年7月18日(土)〜2009年8月30日(日) 

開催趣旨

 信濃川、阿賀野川という日本有数の大河川の下流にひろがる平野は、越後平野、新潟平野、蒲原平野などと呼ばれています。この広大な平野に立地する新潟市の農村部は、人口が大幅に増えた近世初頭以来、新田開発によって耕地を広げました。しかし、低湿地を開墾した耕地は、たびかさなる洪水と水はけの悪さに悩まされ続けました。
 20世紀に入ると、人々は近代的な土木技術を利用して地形条件を克服していきます。とくに排水機の導入にはめざましいものがあり、平野の各地に排水機場が設置されていきます。
 こういった動きは、やがて食糧増産を目指す国家プロジェクトと連携し、第二次世界大戦の戦間期から戦後にかけて、巨大な排水機場を中核にすえた土地改良事業が平野の各地ですすめられていきます。その結果、水路や農道で直線的に区画された乾田が広がる田園風景が形成されていきました。
 第二次世界大戦後、土地改良がすすんだ耕地には、動力を用いた農業機械が次々に導入されていきます。そして1950〜60 年代に蒲原平野は稲作農村地帯としての黄金時代を迎えます。
 この時代の蒲原平野では、米の生産量上昇を支えるように、地元の農機具メーカーが活発に新しい農機具の開発、製造をおこなっていました。
 1970年代に入ると蒲原平野の稲作農業は、生産調整のための減反と都市部の拡大にともなう郊外化などによって混迷を深めていきます。そのため、造成された生産性の高い水田地帯は変貌を余儀なくされ、それが20世紀になってからようやく作り上げられた景観であることも忘れられています。
 本展覧会では、上記の蒲原平野の20世紀の歴史を、歴史資料や農機具、映像を通して分かりやすく来場者に紹介します。現在の景観の裏側に、かつて「地図にない湖」と呼ばれた地域を克服してきた歴史が存在していることを、多くの方に知って頂ければと思います。

開催情報(観覧料・休館日・主催・後援・協力など)

◆観覧料

観覧料
区分 観覧料
一般 600円
大学生・65歳以上 400円
小中高生 200円

        ※中学生・小学生は土日祝日無料

        ※水と土の芸術祭パスポート提示で当企画展・常設展示を観覧できます

◆休館日

開催期間中の休館日
7月 21日(火)、27日(月)
8月 3日(月)、10日(月)、17日(月)、24日

◆主催

新潟市歴史博物館、新潟日報社、BSN新潟放送、水と土の芸術祭実行委員会

◆後援

亀田郷土地改良区、西蒲原土地改良区、白根郷土地改良区、新津郷土地改良区、JAグループ新潟

◆協力

ぽるとカーブドッチ

展示構成

プロローグ──19世紀までの蒲原平野

 蒲原平野の特徴と近世以後の急速な人口増〜飽和までの流れや、排水機場や排水機が設置されるポイントなどを、明治末の地形図や映像処理したグラフをもちいて紹介します。

1.20世紀初頭の蒲原平野

 近世末〜近代初期の用排水路の状態のほか、「サーベル農政」などの農業政策を紹介します。 明治期に一層発達した大地主制度のもとで培われた低湿地の農業技術について紹介します。
 また、関口式排水機、樫木式排水機など、地元で製造された排水機を含め、動力排水機が急速に導入され、小地域ごとに用排水系統が再編されたことを、写真、文書、地図を用いて紹介します。

2.回転式脱穀機の開発

 大正〜昭和期、日本各地で農機具の発明・改良が行われていました。蒲原平野で特徴的に製作・使用された「手回し脱穀機」などを例に、実物、文書資料を用いて紹介します。

3.土地改良事業と大規模排水機場の時代

 食糧増産期に行われた統一的な用排水路の整備と大排水機場の設置について紹介します。戦前から開始された白根郷、新津郷の土地改良事業や、戦後あいついで設置された栗ノ木排水機場、新川右岸排水機場、新 井郷川排水機場などについて、写真、絵葉書、文書資料、イラスト、模型などを用いて紹介します。

4.機械化農業の先進地域──脱穀機王国「新潟」

 昭和20〜30 年代に最盛期をむかえた新潟県内の脱穀機メーカーの製品と、当時の農作業、農村の様子を、実物資料、文書資料を用いて紹介します。

5.エピローグ──米あまり〜減反の時代へ

 1970年代に入り、内燃機関を搭載した自脱式コンバインが登場し急速に普及していったこと、同時に減反政策が採られるようになり、農村部では農業の大規模化、多角化、兼業化が進行していったことを写真、文書資料を用いて紹介します。

関連イベント

講演会「蒲原平野の現在・過去・未来──日本一を実現させた米農業の舞台」

【講師】望月迪洋氏(新潟市都市政策研究所 主任研究員)
【日時】8月23日(日)午後1時半〜3時
【場所】みなとぴあ2階セミナー室
        ※講演会終了後、講師と企画展観覧予定(別途企画展観覧券が必要になります)
【申込】往復はがきあるいは電子メールに「蒲原平野の20世紀講演会」と明記し、氏名・住所・連絡先電話番号を記入の上、8月15日(土)まで(必着)に博物館までお申込み下さい。
        ※お申込み多数の場合、抽選とさせていただきます
【参加費】100円(資料代)

体験プログラム「足踏み水車をまわしてみよう!、キッツォブネを押してみよう!」

【内容】土地改良事業以前の農業の代表的な道具である足踏み水車と、湿田で稲を運ぶための道具であったキッツォブネを、博物館の堀で体験するプログラムです。
【日時】会期中土曜日    午後1時半〜3時
【場所】みなとぴあ敷地内の堀
【対象】小学生〜一般成人
【参加費】無料
【申込】不要

ギャラリートーク

【日時】毎週日曜日    午後1時より
【場所】企画展示室
【参加費】参加費は無料(別途企画展観覧券が必要になります)
【申込】不要

問合せ・申込み先

みなとぴあ    新潟市歴史博物館

郵便番号951‐8013    新潟県新潟市中央区柳島町2-10
EMAIL: museum@nchm.jp     電話025−225−6111    FAX 025−225−6130

■駐車場&アクセスマップ■

◆駐車場有(乗用車73台、バス5台)

■広域地図■
アクセスマップ広域
■博物館周辺地図■
アクセスマップ博物館周辺